内容説明
本書は、若き日のコーナー博士が、熱帯の植物を知ろうとして奮闘努力した日々の回想秘話である。主人公は、博士とヤシの実取りの猿―マレー半島でブルッと呼ばれる、賢くもけなげなブタオザル。博士は、高くそびえる熱帯のジャングルの茂みに猿たちを放ち、植物採集をした。猿たちとの出会い、採集訓練の様子、森林を駆けめぐった愉快な日々、そして別離へと。大戦末期、風雲急を告げるマレー半島で半世紀も前に繰り広げられた博士と猿たちとの冒険。今世紀の植物科学の発達に多大の貢献をなした思い出の猿たちに捧げられた、ユーモアとペーソスに溢れる感動的冒険物語。
目次
幸運なスタート
悲しい出来事
庭でのひとこま
訓練
檻のなかの動物たちと
愉快なブルッたち
赤面の至り
四手動物
幻影
四足動物〔ほか〕