出版社内容情報
原書は江戸期の日本へも伝来した高名な寓意詩画集。美しい100葉の銅版画に職業解説と参考図300点を付して編集。
内容説明
日々の暮らしに欠かせないパン屋、仕立屋、大工、オランダならではのスケート靴や帆布製造から、学者、芸術家、農夫、漁師、狩人、商人、軍人まで、労働の姿をユートピア的に描き出す繊細で清々しい100葉の銅版画。さらに300点の参考図版と各職業の解説を付した「職業図鑑」。
目次
パン屋
仕立て屋
大工
煉瓦積み工
ガラス工
鉛管工
指し物師
ブラシ職人
箒職人
篭職人〔ほか〕
著者等紹介
小林頼子[コバヤシヨリコ]
1948年生まれ。1982‐85年ユトレヒト大学美術史研究所留学。1987年慶応義塾大学大学院博士課程修了。美術史家。専門は17世紀オランダ美術。現在、目白大学助教授
池田みゆき[イケダミユキ]
1972年生まれ。1976‐86年オランダで初等・中等教育を受ける。1995年上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。翻訳業、通訳業を経て、現在、外資系コンサルティング会社に勤務
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感想・レビュー
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しいかあ
3
近世オランダの職人図鑑。訳著者がそれぞれの絵に簡潔な解説を付けてくれているので、それぞれの職業の実態がつかみ易い。銅版画集として見るのもいいし、歴史の本として読んでも面白い。2012/04/04
読書会
2
Bunkamuraに「ブリューゲル版画の世界」を見に出かけたが、うっかり開催日1日前に行ってしまった。悔しい!というわけで、その腹いせに同施設内の美術専門本屋さんにて衝動買い。17世紀オランダの職業を銅版画で描いていて、ブリューゲルの時代・土地に近いものがあり、いいかなと。どの図にも「モットー」と「解題」と呼ばれる文言が付与されれいて、各職業にかこつけてキリスト教的な世界観が教訓的に語られているので、キリスト教の「労働」に対する考え方もかいま見ることができる。まあ、でも単純に銅版画が美しいんです(hc)2011/10/31
サアベドラ
2
近世オランダの庶民の暮らしが垣間見れる。江戸時代にも似たようなものがあったけど、あれと比較するともっと面白いかも2005/02/25
蠍星
1
この手の本を読んできた中ですごくイイ!と久々に思えた一冊。職業一つ一つが図版化されて読みやすく、解説も言葉が多すぎず、それでいて要点を押さえている。こういった本が好きな人ならぜひ一度読んでいただきたい、本当にオススメ。2014/03/16
月見里
1
『この世の命の糧』でパン職人から始まって、墓掘りで終わるところが好き。キリスト教的な世界観が垣間見られるので17世紀の西洋の雰囲気はこんなのかあと想像したり、歴史や美術史なんかにもちょっと触れられるところが個人的にお得な感じ(笑)2009/03/26