内容説明
風に飛ばされ、水に流され、雨滴に弾かれ、アリに運ばれ、動物の餌となり…種子は自然の力を巧みに利用して親元から離れ、生活の場を拡大する。半世紀にわたり種子散布の研究を重ねてきた著者が、驚きに満ちた植物の知恵と工夫を大公開!!
目次
第1章 風によって運ばれるタネ(タンポポの意味は舞い上がるタネ?;ワタとキワタの綿毛 ほか)
第2章 水によって運ばれるタネ(流れ寄るヤシの実は一つでなかった;モダマは藻の玉? ほか)
第3章 動物によって運ばれるタネ(コーヒーとカカオの動物;果物の王様―ドリアン ほか)
第4章 自ら飛ばすタネ(ホウセンカは耐えられない?;カタバミの自動散布 ほか)
第5章 運ばれないタネ(世界最大のタネ―フタゴヤシ;ヤブツバキは照葉樹林の代表種 ほか)
著者等紹介
中西弘樹[ナカニシヒロキ]
名古屋市生まれ。広島大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。長崎女子短期大学教授、長崎大学教育学部教授などを経て、長崎大学名誉教授。専攻は植物生態学。環境省の希少野生動植物種保存推進員、長崎県環境審議会委員、長崎県文化財保護審議会委員、長崎県環境影響審査会委員などを務める。受賞歴:植生学会賞(2009)。自然環境功労者環境大臣表彰(調査・学術研究部門)(2015)。第27回松下幸之助花の万博記念賞・松下幸之助賞(2019)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2023/04/30
とりぞう
2
本題ではないんだけれど、「すべての生物は親から子供ができるわけで、ふつう親よりも子供の数のほうが多い」なんて話に改めて重みを感じるなど。旅するタネの「物語」ではなく、旅するタネの「分類」を第一義とした本。植物に関する知識が多い人ほど、楽しむことのできる本。2022/09/01
きなこ
1
知った植物の名前もあり、へぇ~て感じで読めました。2024/01/16
Mマジパン
1
植物が種を周囲に拡散することを散布というが、この本によると面白い現象の宝庫である。 妖しい味や香りで動物を惹きつけ運ばせる、空を飛ぶ、実が爆発して何十メートルも吹き飛ばす、海流に乗って大洋を横断する‥そのため実に巧妙な仕掛けが施されている。植物に興味がある方は一読をお勧めする。2023/11/23