内容説明
謎をはらんで古都ローマの片隅に立つ、西欧錬金術唯一の「遺蹟」に、当代随一の碩学が挑む。さる錬金術師が姿を消す直前に残した謎文字が彫られたもの―など数々の風説をまとうこの門とともに名を伝えられる、侯爵パロンバーラとは何者か?スウェーデン女王クリスティーナやキルヒャー、数々の薔薇十字会員たちがバロック都市に残した交流の足跡と、中世以来の西欧錬金術の伝統的な寓意と象徴の世界をつぶさに訪ね、門の向こう側にひろがるイメージ豊かな“錬金術の都”へと誘うスリリングな論考。図版多数。
目次
第1章 錬金術師たちと王女
第2章 パロンバーラは薔薇十字会員であったのか?
第3章 「憂鬱気質」の詩人パロンバーラ
第4章 パロンバーラ荘の碑文の数々
第5章 「燭台」という象形図像
第6章 語る門と薔薇十字会員たち
終章
付録
著者等紹介
ガブリエレ,ミーノ[ガブリエレ,ミーノ] [Gabriele,Mino]
1972年ピサ大学卒。『沈黙の書』研究(1974公刊)。1981年ローマ大学研究員。1993年ウディネ大学「図像学および図像解釈学」助教授。2002年同教授。ウディネ大学「図像学および図像解釈学」、「図像文献学」教授。中世からルネサンス期の具象芸術および文芸におけるヘルメス学や錬金術の象徴的伝統を究め、さまざまな古典籍を校訂・監修している
大橋喜之[オオハシヨシユキ]
1955年岐阜生まれ。1989年以降ローマ在。錬金術書を読むBlog「ヘルモゲネスを探して」更新中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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