内容説明
生涯を通じてその研究に心血を注いだディオスコリデス『薬物誌』を中心に、古代ギリシアから近代まで連綿と受け継がれた「ギリシア本草学」の豊かな知的遺産の具体的なすがたを、硬軟自在の語りで生きいきと解き明かす。ディオスコリデス「ウィーン写本」やH.ボックの本草書など、カラー図版多数。
目次
第1章 ディオスコリデスとギリシア本草の歴史(古代ギリシア時代(紀元前五~前三世紀)
アレクサンドリアを中心とするヘレニズム時代(紀元前三~前一世紀) ほか)
第2章 テオフラストス『植物誌』について(テオフラストスの生涯;テオフラストスの著作 ほか)
第3章 ディオスコリデス『薬物誌』と「ウィーン写本」について(ディオスコリデス著作の写本について;「ウィーン写本」の成り立ち ほか)
第4章 プリニウスと植物―『博物誌』植物篇・植物薬剤篇をめぐって(古代ローマと現代の日本―植物篇からの四つの例証;プリニウスの生涯とライフワーク ほか)
第5章 ルネサンスと本草学―H.ボックの本草書を読む(樹木篇;ハーブ篇)
著者等紹介
大槻真一郎[オオツキシンイチロウ]
1926年生まれ。科学史・医学史家。京都大学大学院博士課程満期退学。明治薬科大学名誉教授。2016年没
澤元亙[サワモトワタル]
1965年生まれ。明治薬科大学・防衛医科大学非常勤講師。博物誌・医学書の古典翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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