内容説明
教養ある読者・聴衆の不在という特異な文化状況のなか、中世のラテン語はいかなる変貌を遂げ、その空白ないし中断はいかにして克服されたか?―不朽の名著『ミメーシス』の補遺との位置づけのもと、渡米後に満を持して筆を起こし、近代語成立前夜までのドラマを鮮やかに描く渾身の論集、待望の邦訳。
目次
序 もくろみと方法について
第1章 謙抑体(sermo humilis)
補遺 受難の栄光(gloria passionis)
第2章 初期中世のラテン語散文
第3章 カミラ あるいは崇高なるものの再生について
第4章 西欧の読者とその言語
著者等紹介
アウエルバッハ,エーリヒ[アウエルバッハ,エーリヒ] [Auerbach,Erich]
1892‐1957。1892年ベルリンに生まれる。ハイデルベルクで法律を、第一次大戦後グライフスヴァルト大学でロマンス語文学を学んだ後、マールブルク大学で教鞭をとるが、ナチス政権の誕生とともにイスタンブールへ亡命。1947年アメリカへ渡り、ペンシルヴェイニア、プリンストン、イェールの各大学に迎えられる。ロマニスト、文芸評論家として著名
小竹澄栄[コタケスミエ]
1947年神奈川県に生まれる。1976年東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。2005年東京都立大学人文学部教授を退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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