内容説明
描くテーマの理解から、モティーフの扱い方、画法、フェルメールに特徴的な表現まで、多岐にわたるポイントにフォーカスし、国や時代を越えた作品との対比によって、フェルメール作品を多層的に味わい尽くす!フェルメールを通して新たな絵画鑑賞の愉しみを発見し、西洋美術に対する一歩進んだ関心へとつなげるに格好の書。17世紀オランダ絵画総論、フェルメールの生涯&全作品解説、対戦相手の画家紹介、さらに理解を深めるために気鋭の研究者による論考、文献案内などを付す。
目次
三つの視点―フェルメールとその時代のオランダ美術を読み解くために
対決編(テーマの理解;モティーフの描き方と解釈;表象のための方法;特徴的な表現)
フェルメールと対決相手の基本情報(フェルメールの生涯;フェルメール関連略年表;フェルメール全作品解説(&索引)
対決相手の生涯(&索引))
フェルメール以前、そして以後を知るために(初期ネーデルラント絵画の伝統とフェルメール“窓辺で手紙を読む女”―本を読む聖女から手紙を読む女性へ;フェルメールと風俗画―美術マーケット・幾何学的透視法との対話;ポスト・フェルメールの時代を生きる画家たち―18世紀初頭のオランダ風俗画の魅力をめぐって;17世紀パリの「風俗画」事情―ル・ナン兄弟の農民風俗画)
著者等紹介
小林頼子[コバヤシヨリコ]
慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。現在、目白大学社会学部教授。専門は17世紀オランダ絵画史、日蘭美術交流。著書:『フェルメール論』八坂書房、1998(増補新装版2008)『フェルメールの世界』NHK出版協会、1999(以上2著で第10回吉田秀和賞受賞)ほか。デジタルコンテンツ監修:(株)凸版印刷文化事業部制作『ViewPaint』、2011(2011年アジアデジタルアート大賞エンターテインメント(産業応用)部門優秀賞)
今井澄子[イマイスミコ]
慶應義塾大学大学院後期博士課程修了。博士(美学)。現在、大阪大谷大学文学部准教授。専門は初期ネーデルラント美術史
望月典子[モチズキノリコ]
慶應義塾大学大学院後期博士課程修了。博士(美学)。現在、慶應義塾大学文学部教授。専門は17世紀フランス美術史。著書:『ニコラ・プッサン:絵画的比喩を読む』慶應義塾大学出版会、2010(第16回地中海学会ヘレンド賞)ほか
青野純子[アオノジュンコ]
慶應義塾大学大学院修士課程修了、東北大学大学院博士課程満期修了、アムステルダム大学大学院博士号取得。現在、九州大学基幹教育院准教授。専門は17‐18世紀オランダ美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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