内容説明
フランソワ・モーリアックはフランスのカトリック作家(1952年ノーベル文学賞受賞)として知られるが、傑作を執筆した1930年頃、彼は信仰の不安に苦しんでいた。本書ではモーリアックの「回心」を軸にその前後の小説を比較し、作品に隠された深い意味をすくい出す。また、「自然」のイメージを通して作品の本質に迫り、新しい読解の方法を提示。さらに、三島由紀夫作品との比較研究により、日本文学に与えた影響についても考察する。
目次
第1部 自然のイメージ―閉ざされた世界
第2部 自然との「照応」
第3部 1930年以降の作品と「冬」のイメージ
第4部 モーリアックとカトリックの信仰
第5部 『キリスト者の苦悩と幸福』について
附論 モーリアックと日本文学
著者等紹介
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学DEA取得。現在、武蔵野美術大学教授。専門は20世紀フランス文学、フランソワ・モーリアック、サン=テグジュペリなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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