内容説明
古代壁画、中世の本草書、近・現代の花譜や植物学書などに見られる植物画の発展の歴史を、芸術と科学の接点において捉え論じた古典的名著!!歴史的に重要で芸術性の高いボタニカル・アート200点余を掲載。巻末に「植物画の基本技法」を併載。
目次
植物画家
古代の遺産
自然主義の復活
最初の印刷本草書
ブルンフェルスとフックスの本草書
木版画の衰退
十六世紀後半の花の画家
初期エッチング制作者と金属版彫版師たち
ラベル、ロベール、オーブリエ
オランダ―花の絵画とオランダの影響〔ほか〕
著者等紹介
ブラント,ウィルフリッド[ブラント,ウィルフリッド] [Blunt,Wilfrid]
1901‐87。イギリスの著述家、美術教師、キュレーター。マールボロ・カレッジ、オックスフォードのウスター・カレッジ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだのち、美術教師として教壇に立つ。1959‐83年には、サリー州コンプトンにあるウォッツ・ギャラリーのキュレーターを務めた。伝記、美術史、文化史などの分野で執筆活動を続けた
森村謙一[モリムラケンイチ]
1934年兵庫県生れ。京都大学理学部卒業後、大阪府公立高校勤務、京都大学人文科学研究所非常勤講師、追手門学院大学非常勤講師を歴任。専攻は植物分類地理学史、本草学および本草学史。2004年広島大学医学部大学院博士課程卒業、薬学博士号を授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yooou
5
☆☆☆☆★ 植物の分類、印刷技術などの進歩とともに高度化してきたボタニカル・アートの真髄がここに。なるほどの歴史がありました。堪能です。2015/10/12
さんとのれ
0
薬草ガイドという極めて実用的な理由から生まれたものの、やたらと怪しい魅力を放つボタニカルアートの歴史。それぞれの絵の歴史的、植物学的、美術的な分析だけでなく、画家の生涯やその絵がどういう経緯で誰の手に渡ったかなどまで説明されている。カラー図版65枚、白黒150枚、細かい字で情報もぎっしり。安くはない本だけど、それに見合った内容だと思う。2015/04/28
志村真幸
0
本書は、古代から20世紀中葉までのヨーロッパ世界における植物画の歴史をたどったもの。16世紀から19世紀が手厚い。美術作品というより、科学的な視点にもとづく図版が対象。 時代ごとの著名な植物画家をとりあげ、その画業や生涯について紹介していくスタイルで、かなり詳細にボタニカル・アートの歴史を知ることができる。本職の美術のひとだったからか、技法や細部の正確さについて、かなり辛口の意見が呈されているのが、読んでいておもしろい。 図版もきわめて豊富で嬉しい。カラー図版も多数。 2021/02/12