自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784896918984
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0095

内容説明

自閉症裁判の初のリーディングケースとして位置づけられる浅草女子短大生(レッサーパンダ帽)殺人事件は、なぜ、単なる「凶悪な通り魔」殺人事件として処理されてしまったのか?被害者に向き合わない加害者支援運動が無効なように、検察と一体となった報道や「責任能力」論議を垂れ流すだけのマスコミと厳罰を処して事足れりとする司法は、本質的に同じ間違いを犯している。ほんとうの意味での再犯防止につながる「障害」への理解がなければ、再びこのような悲劇はくり返されるからである。―四年に及ぶ徹底取材を経て、司法・教育・福祉・司法精神医学が問わずにきた重要課題を明らかにする問題作。

目次

レッサーパンダ帽の男が浅草に
加害者・被害者 逮捕まで
報道 隠されたこと
裁判(一) 初公判での「沈黙」
被害者(一) 家族のアルバム、その突然の空白
裁判(二) 「障害」はどう受けとめられたのか
裁判(三) 「自閉症」をめぐる攻防
加害者(一) 「なぜ顔を上げないのか」と男は問い詰められた
加害者(二) 放浪の果て
被害者(二) 「思い出も、声も忘れたくないのに…」
加害者(三) 「教え子の事件」が連れてきた場所
裁判(四) 消された目撃証言
裁判(五) 「殺して自分のものにする」と言ったのは誰か
裁判(六) 彼らはどのように裁かれてきたのか
被害者(三) 「この国を腐らせているのはマスコミのあなたたちではないか」
加害者(四) 責任と贖罪
裁判(七) それぞれの判決
最期のレクイエム

著者等紹介

佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年生まれ。国学院大学文学部卒業。批評誌『樹が陣営』主宰。フリージャーナリスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

97
殺人犯は自閉症だった。彼に善悪は分かるのか、自分のしたことの意味が分からないものに、懲罰は意味があるのか。犯人の母は死亡。父は知的障害でパチンコ依存で家族の金を食い物にした。犯人の妹は癌で、殺人犯達に金をむしり取られるだけむしり取られて25歳で死んだ。誰が一番悪いのか。犯人を罰したら次の事件は防げるのか。犯罪者を閉じ込めるのではなく、貧困家庭を救うシステムが必要だったのではないか。妹をこの家族から保護して、父と子供達を引き離すことはできなかったのか。罪とは何か、罰とは何かを問う良書。2020/12/29

銀河

23
悲しい気持ちだけが残った。凶悪な通り魔事件、加害者に障害があり、逮捕後の事件報道の記憶があまりなかった。被害者の女子短大生があまりにもかわいそうで、ご両親や親戚の方の話に涙が止まらない。裁判の様子を詳しく読んだけれど、どうしてもイライラしてしまう。判決の重みを理解していない被告、でも判決は妥当だ、というのが率直な気持ち。病の妹のために真面目に働き、母の死に涙を流す、それすらできなかった被告の立場で考えることができなかった。同じ障害を持つ人に対する見方までこの本に引きずられてはいけないと思った。2011/08/28

くれの

8
奇怪さだけがマスコミに誇張された事件を徒にその異常性を煽ることなく丁寧に記されています。内なる他者の目の重要性を痛感したとともに無念のうちに亡くなられた二名を知って負の連鎖を断ち切る弛まぬ努力を心に刻みました。2014/07/09

水沢晶

4
あとがきにあった『翻訳』が必要という喩え話が簡潔にすべてを語っている。2022/04/04

貧家ピー

3
難しい問題。この男が自閉症であるのならば、自閉症であるがために人を殺したという事が問題なのではなく、どう裁いて更生させるのかという点において、警察・司法に対応能力がなさそうという点が問題。 コミュニケーションに難がある容疑者の取り調べの方法、検察のストーリー通りに事を進めているのではないかなど。2005/05/18

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