内容説明
われわれは疫病流行の歴史から何を学ぶべきか?疫病の流行は本当に克服されたのか?二〇〇三年のSARSの流行を振り返るとき、われわれ人間社会が経験した疫病の縮図を見る思いがする。天然痘が新大陸の抵抗力のないインディオに瞬時に蔓延したように、SARSも世界中に拡散した。その恐怖とそれに伴うヒステリックな社会の対応は、中世のペスト、一九世紀のコレラを彷彿とさせる。またハンセン病やエイズの流行において経験された患者に対する不当な差別も見逃してはならない。これは決して過去の話や発展途上国の話ではない。むしろ生態系のアンバランスが進む現代の先進国が直面する課題である。さて、どうするか。
目次
SARS流行と疫病の魔力
キリストによる奇跡治療の秘密―ハンセン病
「ハーメルンの笛吹き男」に隠された悲劇の予兆―ペスト
幻の薬・グアヤックを求めて―梅毒
征服者たちの秘密兵器―天然痘
伝説のプラントハンター―マラリア
『レ・ミゼラブル』の陰でうごめく悪魔―コレラ
ホームズを滝壷に沈めた病―結核
野口英世事故死説―黄熱
ウィルソン大統領の賭け―インフルエンザ
もう一つのホロコースト―発疹チフス
レーガンを動かしたダブルスキャンダル―エイズ
SF小説『復活の日』との恐るべき近似―SARS
疫病の発する人間社会への警告
著者等紹介
浜田篤郎[ハマダアツオ]
1955年東京に生まれる。東京慈恵会医科大学卒業後、1984年に米国留学し熱帯医学、旅行医学を修得する。帰国後に同大学の熱帯医学教室講師を経て、現在、労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター研修交流部長。海外渡航者の診療にあたるとともに、SARSなど海外の感染症対策事業を運営している。非常勤講師として東京慈恵会医科大学、慶応義塾大学医学部などで寄生虫学や旅行医学の講座も担当
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ缶さとこ
ジジ
えふのらん
うえ
ofnir
-
- 和書
- おねえちゃんは天使