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疫病は警告する―人間の歴史を動かす感染症の魔力

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896918410
  • NDC分類 493.8
  • Cコード C0247

内容説明

われわれは疫病流行の歴史から何を学ぶべきか?疫病の流行は本当に克服されたのか?二〇〇三年のSARSの流行を振り返るとき、われわれ人間社会が経験した疫病の縮図を見る思いがする。天然痘が新大陸の抵抗力のないインディオに瞬時に蔓延したように、SARSも世界中に拡散した。その恐怖とそれに伴うヒステリックな社会の対応は、中世のペスト、一九世紀のコレラを彷彿とさせる。またハンセン病やエイズの流行において経験された患者に対する不当な差別も見逃してはならない。これは決して過去の話や発展途上国の話ではない。むしろ生態系のアンバランスが進む現代の先進国が直面する課題である。さて、どうするか。

目次

SARS流行と疫病の魔力
キリストによる奇跡治療の秘密―ハンセン病
「ハーメルンの笛吹き男」に隠された悲劇の予兆―ペスト
幻の薬・グアヤックを求めて―梅毒
征服者たちの秘密兵器―天然痘
伝説のプラントハンター―マラリア
『レ・ミゼラブル』の陰でうごめく悪魔―コレラ
ホームズを滝壷に沈めた病―結核
野口英世事故死説―黄熱
ウィルソン大統領の賭け―インフルエンザ
もう一つのホロコースト―発疹チフス
レーガンを動かしたダブルスキャンダル―エイズ
SF小説『復活の日』との恐るべき近似―SARS
疫病の発する人間社会への警告

著者等紹介

浜田篤郎[ハマダアツオ]
1955年東京に生まれる。東京慈恵会医科大学卒業後、1984年に米国留学し熱帯医学、旅行医学を修得する。帰国後に同大学の熱帯医学教室講師を経て、現在、労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター研修交流部長。海外渡航者の診療にあたるとともに、SARSなど海外の感染症対策事業を運営している。非常勤講師として東京慈恵会医科大学、慶応義塾大学医学部などで寄生虫学や旅行医学の講座も担当
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネコ缶さとこ

3
ミステリーマニアだが、歴史マニアでもあるネコ缶🐱興味深く読みました。 ペストやスペイン風邪だけでなく、ほぼすべての疫病は、社会のしくみのみならず、戦争の行方すらも変えてしまう事が改めて解った。そして被害を最小限にするには、世界が協力しあわないといけないことも。 だとすると今流行ってるコロナもそうだろう。コロナが明ける頃には、今までとは全く違う世界があるのだろう。生きていれば歴史を作る一員として、しかと見届けたい😃2020/12/02

ジジ

0
面白い読みものでした。なぜ疫病は発生するのか。人類はそれらにどう立ち向かってきたか。歴史に及ぼした影響と意味。読みやすかったし興味深く読めました。2017/12/08

えふのらん

0
世界史を揺るがした疫病の記録。新大陸の発見と征服、第一次世界大戦など西洋史上のターニングポイントになった出来事について12の疫病を関連させながら解説。医学的な説明はさておいて、ハーメルンの笛吹とペストのように文学的な話題やスペイン人による北米占領と天然痘といった歴史的な視点からの解説が中心なので非常に楽しい。また、パリのコレラのような有名どころを淡々と語るのではなく、マラリア治療から生まれたジントニックやゲットーで蔓延したチフスなど裏話も時々挿入していて、構成も非常に良か2014/11/18

うえ

0
ハンセン病●患者は目立つよう黒装束を教会の出入りも禁じられた●ペスト●何故中央アジアからペストが拡大したのか。モンゴル帝国の成立により草原の道が整備された為●梅毒●パラケルススは論文でグアヤック治療を批判し水銀治療を勧めた。論文は弾圧されたがグアヤック治療も衰退。今では水銀治療は致死的で,グアヤックの正しさがわかっている…●天然痘●侵略者であるスペイン人は元々免疫があったのだが、インディオは自分たちの神は無能だと考えた。スペイン人の神が優れていると考え容易にキリスト教に改宗しだした2014/09/11

ofnir

0
単なる疫病の歴史ではなく、疫病を通して見る世界史。大変面白い。2013/10/24

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