内容説明
春画研究の第一人者が奥深い作品世界の味わい方を伝授する!本書は、マニアに偏りがちだった春画の世界を一般読者にも親しんでもらうために著した前著(『江戸の春画』)の続編である。第一部では、今までにない視点から著者独自の枕絵師論が展開される。西川祐信と江戸の枕絵師の影響関係、春信作品の真贋、歌麿作品の近代性、そして、江戸の七大浮世絵師に含まれない“隠れ巨匠”勝川春章の発見である。第二部では、「春画に描かれた性表現」の独自性を、女らしさ、男らしさのジェンダー論を足がかりに西欧美術と比較する。さらに春画に描かれた「腰巻」の意味、母と子の近親相姦問題を母子画像から読み込む。
目次
春画と遊び―サロン芸術を支えた人々
第1部 春画作品と浮世画師の系譜(西川祐信と江戸の春画―その量り知れない影響力;春信春画をめぐる謎―どれが本当の作品か;喜多川歌麿の近代性―「真を描かん」とする意志;勝川春章の美と怪奇趣味―矛盾が生み出す衝動とエネルギー)
第2部 春画に描かれた性(江戸の裸体画―「女らしさ」のない世界;隠された「筋肉信仰」―「男らしさ」のない世界;二布(腰巻)のエロティシズム―緋色と襞が表徴するもの
欲情する母子像―「母子姦」への予感)
著者等紹介
白倉敬彦[シラクラヨシヒコ]
1940年生まれ。早稲田大学文学部中退。独立の編集者として、長年美術・浮世絵関係の企画・編集に携わる
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