内容説明
一九五九年の伊勢湾台風で、愛知県内の旧家の崩れた土蔵から発見された「前野文書」は、のちに『武功夜話』と題して公刊された。同書はNHKや朝日新聞などのメディアが、戦国時代を解明する第一級の史料として喧伝したり、遠藤周作や津本陽らの有名作家の作品に種本として使われたことから、その内容が史実として一人歩きすることになる。しかし、同書はその原本が公開されていないために、用語や記述に多くの疑問がありながら、専門家の検証すらなされてこなかった。在野の戦国史研究の第一人者が、様々な角度から徹底検証し、真贋に決着をつける。
目次
序 戦国文書『武功夜話』とはどんな史料なのか?
偽書研究(1) 「武功夜話」はどのようにして作られたのか?
偽書研究(2) 一級史料『信長公記』と偽書『武功夜話』を比較する
偽書研究(3) 捏造された秀吉の出世譚「墨俣一夜城」
偽書研究(4) 偽書を喧伝したマスコミ、有名作家、研究者の責任
偽書研究(5) 『武功夜話』がねじ曲げた戦国合戦史
著者等紹介
藤本正行[フジモトマサユキ]
1948年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部史学科卒業。現在、株式会社彩陽代表取締役。日本軍事史・風俗史専攻。軍事・絵画・城郭・甲胄武具研究を有機的に集合した独自の歴史研究を展開している
鈴木真哉[スズキマサヤ]
1936年横浜市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。防衛庁、神奈川県等に勤務。在職中から、「歴史常識」を問い直す研究を続ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
邑尾端子
May
鐵太郎
hyena_no_papa
-
- 和書
- ゼミナール日本の総合商社