内容説明
日本人以外の外国人はソウルでどんな目に遭ったのか?白人だというだけで「アメリカ人は国に帰れ!」と排撃されたドイツ人。同胞であるはずの中国朝鮮族・在日韓国人が受ける差別。韓民族をあれほど自画自賛するのに、国を捨て移民になる者が後を絶たず、世界一の孤児輸出国であるという謎。華僑が「世界で唯一成功できなかった国」と語る韓国が抱える病理とは?ソウルに住んで十余年になる著者が体験し見聞してきたなまなましいエピソードが明らかにするアンビバレントな韓国ナショナリズム。友人だからこそ言える、いきすぎる韓国人への苦言。
目次
第1章 在韓外国人への視線
第2章 外国人が見た韓国の素顔
第3章 背信の民族主義―民族内部の差別
第4章 幻のチャイナタウン
第5章 アンビバレントな韓国人
第6章 統一幻想の呪縛
著者等紹介
伊東順子[イトウジュンコ]
1961年愛知県豊橋市生まれ。愛知大学文学部中国文学科卒。1990年渡韓。延世大学、梨花女子大学などで韓国語を学び、その後10余年間ソウルで暮らす。日本語学校、テレビ番組の制作会社、新聞社などに勤務の後、現在はフリーのジャーナリストとして活躍中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
5
タイトルは著者の発案か出版社か。いずれにしても「時代」を感じさせる。いま同じテーマで出版するならばこのタイトルにはならないのではないか、と思う。ナショナリズムは「病」であるかどうかの学術的な議論は置いておいて、ある国に住む集団の特性というのは、やはりその懐に入ってみないと分からないのだ、という当然の事実を実感する。そして思うことは「私があと20年前に韓国・朝鮮に関心を持っていたら…」である。当然現地を訪れただろうし、言葉の習得も…。などとネガっても仕方ないが、著者の若き好奇心の横溢を羨望しつつ読了した。2024/02/13
聖月
3
著者の最近の本に触れ、もっと読みたいと、遡って読んで、歴史も遡るが、視点も遡っての定点なので、逆に当時の体温がわかるような気がする。南北統一の前触れのような時代。今はそんなわけないが、当時はそうだったのだな。阪神大震災で、多くの韓国人が天誅だと感じた話。でも、日本人にもあるでしょう。今、モスクワや平壌で未曽有の震災が起こったら・・・天罰がくだったみたいな第一印象が。2024/07/03
金吾
3
△読んでみて再読を知りました。韓国にすんでいる人が韓国について書いておる、あぁそうなんだと思う本です。2019/11/13
mytee
3
大変、興味深く読みました。著者の韓国愛にはまーったく共感しませんが。韓国でいかに外国人が住みにくいか、韓国人が差別主義か良く分かります。踏み越えて欲しくない人間関係のラインが私たちとはかなり違っているようで、私には理解も受け入れもできそうにありません。2012/09/28
けん
2
ソウル駅前のブックオフで購入。 実体験を基にした韓国ナショナリズム体験記。 大なり小なり韓国に滞在している外国人なら、感じること見聞きすることをその根の部分まで丁寧に整理してあり 「ああ、そうだったなあ」 「そうそう、そうなんだ」 と思わされ、そしてため息をつかされることしきり。 実は私の今の職場の前任者(日本人)がまさしくこの「韓国ナショナリズム」の逆鱗に触れ…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2012/02/13