内容説明
北海道を終いの住処ときめた著者が、ひとりのアイヌの古老とじっくり膝をまじえ、話を聞いた。その古老の語ることばや生き方のなんと黄金のようにきらめいていることか。―死と葬儀と引導渡し、臨死体験と死後霊、鮭の霊送り、熊送り、一匹の蠅も神になるなど、神々と人間の交歓を描いて、アイヌの精神文化と豊かな世界に私どもを誘ってくれる。
目次
誕生の丘、神々に囲まれて
移住、大地は個人の所有物ではない
家は聖堂であり主人は祭司
最初の記憶、父さんの死
彼岸への思い、墓標は死者を送る杖
天界の方位と世界像
死者の国は、どこにあるのか
死と葬儀と引導渡し
死後の霊の状態
先祖供養、死者の国における霊の成熟〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいかあ
1
反物質主義、反資本主義、オカルト気味な精神世界といった要素がアイヌの伝承とごった煮になっていて、ザ・90年代という感じがする。著者の関心が臨死体験やその周辺に集中しているのも90年代っぽさが強い。アイヌの民俗の資料というより90年代のそういったカルチャーの空気を知るための資料として有用ではないだろうか(褒めてない)。2021/03/07
kaizen@名古屋de朝活読書会
1
児童文学者らしいやわらかい文章で、 アイヌの古老の言葉を綴っている。 東京から北海道,そしてフィリピンと活動の拠点を移した著者の眼差しが,どこを向いているのだろうか。2013/01/01
まっきaka谷林
0
中身はおもしろいんだが、著者自体が微妙に鼻につく。2010/12/25