有隣新書<br> 相模湾 深海の八景―知られざる世界を探る

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有隣新書
相模湾 深海の八景―知られざる世界を探る

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  • サイズ B40判/ページ数 209,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896602227
  • NDC分類 452.2
  • Cコード C0244

出版社内容情報

首都圏の南に位置する深海・相模湾では今も様々な地球科学現象が起きている。海洋生物の宝庫である相模湾の秘密に迫る。

まえがき
序章  日本列島の海岸と湾
世界の中の日本/中部日本の特徴/深海湾と日本の最高峰(富士山)との落差/
半熟の卵―地殻、マントル、核/ヒプソグラフ(ヒプソグラム)/
代表的な岩石/深海の調査のむずかしさ
第一章  相模湾の形と素材
プレート境界にある相模湾/相模湾の最初の地形図/相模湾の最新の地形図/
鯨瞰図とは/相模湾の鯨瞰図/相模湾の水系図/相模湾の地形区分/相模湾の地質/
相模湾の重力異常と地磁気異常/相模湾の地殻熱流量/
初島沖深海底総合観測ステーション/音波探査記録/一九七二年の酒匂川洪水/
相模湾西部の火山/幻の湘南火山帯/西相模湾断裂/相模湾のテクトニクス/相模湾の誕生
第二章  相模湾の変わった住人たち
相模湾の珍しい生物/海洋生物の棲息場所/相模湾の深海生物/
相模湾の珍しい生物/海洋生物の棲息場所/相模湾の深海生物/
CoMLであきらかになった生物の多様性
第三章  日本の海洋生物研究の始まり
相模湾は生物の宝庫/相模湾の最初の生物研究/
日本の海洋生物研究の生みの親モースの貢献/江の島の地形/
海洋生物の研究に貢献した青木熊吉/昭和天皇/相模湾周辺の水族館/
京急油壺マリンパーク/葉山しおさい博物館/新江ノ島水族館/葛西臨海水族園/
横浜・八景島シーパラダイス/しながわ水族館/ヨコハマおもしろ水族館/最近の水族館
第四章  相模湾に流れているものや味付けしているもの
相模湾の表層や底層を流れる水/相模湾に入り込む水
第五章  相模湾八景
その一 初島生物群集/その二 海底地滑り/その三 熱川沖の長大溶岩流/
その四 沖ノ山堆の化学合成生物群集 海上の道と海底の道/
その五 海底谷とごみ/その六 深海底の定点観測/
その七 海面変動と地殻変動/その八 深海の歳時記
第六章  相模湾はいつどのようにしてできたのか
神奈川の大地の生い立ちの概略/二〇〇〇万年前の日本列島/フォッサマグナの形成/
日本海の形成と拡大/北部フォッサマグナの形成/
伊豆・小笠原弧の衝突/最後の衝突/相模湾と駿河湾の形成
第七章  相模湾を取り巻く博物館とジオパーク 
神奈川県立生命の星・地球博物館/平塚市博物館/横須賀市自然・人文博物館/
千葉県立中央博物館/ジオパークとは/伊豆大島ジオパーク/伊豆半島ジオパーク/
箱根ジオパーク/バイオジオパーク/相模湾をメガバイオジオパークに/博物園の構想
第八章  相模湾はなぜ生物が多様なのか
生物が多様な条件の概略/相模湾の形と砂や泥/相模湾を埋める土砂/
相模湾の水循環/相模湾の火山活動や断層運動/断層運動と海面変動/
海岸線の変化と地殻変動や気候変動/駿河湾と富山湾
終章  相模湾の災害とこれから起こること
相模湾で起こったさまざまな自然災害/海底火山活動/地震活動/
地震と火山活動の集中する平安時代と江戸時代/津波/台風/水害/
温暖化や寒冷化/海洋生物と災害/新しい相模湾
あとがき
参考図書

藤岡換太郎[フジオカカンタロウ]
1946年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。理学博士。専門は海洋底地球科学。
元独立行政法人海洋研究開発機構特任上席研究員、神奈川大学・桜美林大学非常勤講師。
日刊工業新聞優秀図書賞、海上保安庁長官表彰を受ける。
著書『山はどうしてできるのか』講談社、『海はどうしてできたのか』同、『川はどうしてできるのか』同、『海がわかる57のはなし』誠文堂新光社、編著『日本海の拡大と伊豆弧の衝突』有隣堂など

内容説明

相模湾にはプレートの沈み込み、火山活動、断層運動、関東地震や小田原地震など巨大地震の発生や土石流、斜面崩壊などの現象、地下からの湧水やガスの放出、表層や深海の流れなど海水の移動、陸上の河川からの淡水の流入、黒潮や新潮などの周辺の海水の流入、などの現象が起こっており、そのために多様な生物が棲息することが分かってきました。本書は、今もなお変化を続ける相模湾の中で起こっているさまざまな地球科学現象を紹介するとともに、海洋生物の宝庫である相模湾を中心にしたバイオジオパークの設立を提案したものである。

目次

序章 日本列島の海岸と湾
第1章 相模湾の形と素材
第2章 相模湾の変わった住人たち
第3章 日本の海洋生物研究の始まり
第4章 相模湾に流れているものや味付けしているもの
第5章 相模湾八景
第6章 相模湾はいつどのようにしてできたのか
第7章 相模湾を取り巻く博物館とジオパーク
第8章 相模湾はなぜ生物が多様なのだろうか
終章 相模湾の災害とこれから起こること

著者等紹介

藤岡換太郎[フジオカカンタロウ]
1946年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。理学博士。専門は海洋底地球科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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イツシノコヲリ(丹波國)

1
相模湾の形成や地形、海洋生物やジオパーク構想など様々なことが記述され、バランスが良い。大森貝塚で有名なモースが海洋生物学が専門であったことや鯨骨生物群など様々なことが学べた。深海といっても乱泥流と呼ばれる堆積物が豊富にあるのは意外であり、これは相模湾の形成の新しさを示しているという。2024/03/05

Mマジパン

1
地球科学関係の一般向け著書が多い藤岡換太郎先生による、相模湾の地質・海洋生物などの解説書。神奈川県湘南地方の海である相模湾、その調査研究の歴史から説き起こし、潜水艇で幾度となく潜航し、調査した経験から定めた「相模湾八景」の記述が中心である。注目すべきは、相模湾から海水を取り去った海底の地形図だ。陸上からは想像もつかないような景色(地形)が広がっている。そこから、湾の成り立ちについての新たな知見、奇妙な生物、そして大地震や洪水に伴う海底の変動など、についてわかりやすく解説している。2020/02/05

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