内容説明
安政六年(一八五九)に開港した横浜港は、日本を代表する貿易港に発展したが、来航した船は、大桟橋ができるまでの三十五年間、直接岸壁に横づけすることができなかった。本書は、大桟橋の根元に今も残る「象の鼻」とよばれる突堤はなぜ曲がっているのか、鉄桟橋建設の原資となったアメリカからの下関賠償金はなぜ返還されたのか、さらに石造ドックを日本人が設計した理由や、新港埠頭建設をめぐる内務省と大蔵省の争いなど、横浜港の七つの不思議をさまざまな資料を用いて明らかにしながら、関東大震災までの歩みを紹介する。
目次
第1章 「象の鼻」―なぜ突堤が曲がっているか
第2章 横浜築港―なぜ三十五年間も船がつけない港だったか
第3章 大桟橋―なぜアメリカは下関賠償金を返してきたか
第4章 「メリケン波止場」―なぜそう呼ばれたか
第5章 石造ドック―なぜ佐世保で設計図がつくられたか
第6章 新港埠頭―なぜ大蔵省が土木工事を行なったか
第7章 「横浜市歌」―なぜ鴎外が作詞することになったか
終章 横浜港の遺産を生かす
著者等紹介
田中祥夫[タナカヨシオ]
1931年東京生まれ。早稲田大学第一理工学部建築学科卒。横浜市役所に勤務し、街づくりや住宅計画に携わる。1991年「明治前期における建築法制に関する研究」で日本都市計画学会賞(論文)受賞。東海大学大学院、関東学院大学で非常勤講師をつとめ、現在、国土交通省中央建設工事紛争審査会委員。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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