内容説明
幕末の開港によって歴史の表舞台に登場した横浜は、日本第一の貿易都市として発展し、大震災の打撃からもいち早く立ち直り、臨海部に重厚長大な工場が林立する重化学工業都市に成長した。空襲とそれに続く長期接収は復興を遅滞させたが、高度経済成長に東京近郊という条件も加わって住宅都市としての性格をも帯び、首都に次ぐ巨大都市になった。本書は、「大横浜」をめざして進められた都市づくりを軸に、震災復興から高度成長期までの半世紀にわたる都市横浜の歴史を跡づけたものである。
目次
序章 開港からの七〇年
第1章 「大横浜」をめざして
第2章 「大横浜」の実現
第3章 戦争の時代
第4章 占領と改革
第5章 復興への曲折
第6章 接収一部解除と経済復興
第7章 高度成長の推進
第8章 高度成長と人口爆発
第9章 「ひずみ」との取り組み
終章 走り続けた半世紀
著者等紹介
高村直助[タカムラナオスケ]
1936年生まれ。東京大学文学部国史学科卒。専攻は日本近代経済史。現在、横浜市歴史博物館館長、東京大学名誉教授、フェリス女学院大学名誉教授。第五三回横浜文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わんつーろっく
17
飛鳥田市長の六大事業よりずっと以前の震災復興から高度成長まで。著者は横浜市史の編集にも携わっていた、名誉教授(東京大学とフェリス女学院大学)とあって、内容がカタイ。参考書読んでいるようにツラかった😅 ベトナム戦争に反対して、ベトナムに送られる戦車の輸送を村雨橋で阻止した地元のエピソードは好き。2024/11/08
Yosuke Hosomi
1
横浜市の関東大震災から戦災、高度成長期まで、復旧・復興の歩みを市史に基づきコンパクトながら濃密まとめている。分区の経緯や歴代市長の選挙めぐる攻防などでは、意外なエピソードも多く興味深い。2022/07/05