内容説明
太平洋上に連なる、伊豆大島、三宅島をはじめとする伊豆諸島から小笠原群島にいたる島々は、伊豆・小笠原弧と呼ばれる、南北一二〇〇キロにわたる海底大山脈の一部である。フィリピン海プレート上に形成された伊豆・小笠原弧は、プレートの北上とともに日本列島に衝突し、丹沢山地や伊豆半島を付加させ、さまざまな地球科学的現象を起こしつづけている。本書は、伊豆・小笠原弧全域と、その北端部に位置する房総・三浦・伊豆半島、丹沢山地、相模湾などの地形や地質、火山活動、活断層と地震、化学合成生物群集などを紹介する。
目次
1 地形・地質と形成史
2 火山活動と地熱
3 活断層と地震
4 化学合成生物
5 古伊豆・小笠原弧が衝突・付加した地質帯
6 伊豆・小笠原弧の過去・現在、未来
著者等紹介
藤岡換太郎[フジオカカンタロウ]
1946年生れ。(株)グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部長。理学博士。専門は海洋地質学
有馬真[アリママコト]
1948年生れ。横浜国立大学大学院環境情報研究院教授。理学博士。専門は実験岩石学
平田大二[ヒラタダイジ]
1955年生れ。神奈川県立生命の星・地球博物館企画普及課長。専門は地質学
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感想・レビュー
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翔亀
41
神奈川3部作の2。91年の「海からきた丹沢」は、丹沢及び伊豆・小笠原弧の二重衝突説の提唱者によるパラダイム転換ともいうべき驚きの記録だったが、04年の本書はその定着・検証の書。衝突説を前提に、丹沢隆起の影響を受けた房総・三浦・大磯・足柄山地の生成メカニズム、箱根火山や活断層、さらに新知見の相模湾から伊豆・小笠原弧の海底の調査結果が収められる。地球上でも極めて珍しい三つの海溝が交わる三重点がある神奈川は、南洋の海底火山地殻が丹沢の山頂に露出する珍しい地球科学現象が観察できるが、同時に最も不安定であるとか。2016/02/25
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