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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なま
5
1945年4月14日〜敗戦まで、小6由美子が両親と兄に弟で戦争を乗り越える。 横浜市内小学校教師を30年勤めた著書、上坂さんが子ども達が読む戦中、戦後の物語を書かねばと10年調査し書かれている。東戸塚、小机、関内、上大岡等具体的な地名や5月29日に野毛で空襲警報を受けてB29が焼夷弾や爆弾を落とし、逃げ惑う人に低空飛行で機銃掃射を浴びせる等。クラスの級長だった徹也が疎開地を飛び出した闇。小学生の小さな胸で、生きる為に疑問に思い、決断していく。この本は、30年後の平和への祈りで締められているのが救われる。2017/08/07
小説大好き
0
過酷な戦争体験を題材にした児童文学の中でも、本作は東京大空襲や原爆ではなく横浜大空襲が扱われている点が特徴です。地名、疎開ルート、勤労学生の働く会社など、横浜市民なら恐らくは馴染みのある名前が多く出てくる分、それらがことごとく焼き尽くされていく恐ろしさを身近に感じることができるのではないでしょうか。燃え盛る焼夷弾の恐怖は勿論嫌というほど描かれますが、その他防空壕の危険、爆弾の破片の怖さ、P51機の残酷性など、綿密に取材を重ねたであろうリアリティは、戦後八十年の今こそ読み返される価値を持っていると思います。2025/02/25