感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
36
【中世22】著者の歴史エッセイ(いや論文かな)「つわものの賦」と同時期に書かれた姉妹編。前者が総論としたら、こちらは各論となるが、著者の本領が発揮されているのは本書の方だろう。相模という地域限定だが、三浦氏(和田氏)、中村氏(土肥氏、土屋氏)、工藤氏(曽我氏、伊東氏)、大庭氏、梶原氏等々と、鎌倉幕府の錚々たるメンバーが揃う。著者は、これらの群像の歴史を紐解くとともに、その城址や由緒ある寺社、何よりその土地をこまめに歩きながら当時の武士団の姿を幻視するのである。それは、頼朝や執権北条氏や鎌倉からの視点で↓2022/04/14
りー
25
山沿いの一族=波多野・松田・川村、内陸部の中村・土屋・二宮・土肥、海沿いの三浦・梶原・大庭…と相模の勢力は大雑把に分類できる、とのこと。海沿いは新興勢力。武士というと勿論戦っている場面が強調されがちだけれど、彼らはむしろ開拓団。だから土地を守るため、立ち上がったのだということがはっきり分かる。戦国時代に瀬戸内で活躍する小早川氏も、元は関東出身だったとは知らなかった。武士達の様々な側面が見えて、今年の大河ドラマをより深く楽しめるようになったと思う。2022/08/21
クラムボン
15
相模の地については土地勘もそこそこあるし、「鎌倉殿の13人」に登場する東国武士団もある程度知ってるつもりでした。しかし「相模のもののふたち」は永井路子が郷土史家の目線で本貫の地を訪ねる紀行文・地域史なので、読むのに苦労しました。三浦父子、和田義盛、梶原景時、曽我兄弟など大河に登場する人物が出てくると俄然興味が湧きますが…。秦野の波多野氏、渋谷氏、海老名氏、愛甲氏、松田氏、二宮氏など、神奈川中西部の地名を氏(うじ)とする一族については、それこそ付いて行くので精一杯でありました。2022/07/03
S.ISO
5
相模の板東武者に注目して、筆者(永井路子さん)が本拠地を巡って残り香を探索したエッセイ集のようなものです。出版から40年程度たっているので、今も筆者の見た光景が残っているのか不安ですが、同じように歩いてみたいなと思いました。2022/02/19
akira
3
「鎌倉殿の13人」をきっかけに読んでみました。神奈川県の地域ごとにそこを拠点としていた鎌倉武士について永井路子さんがまとめた本です。地域単位の記述なので時系列がばらばらで、以前読もうとした時には混乱して途中で挫折してしまったのですが、ドラマのお陰で時系列が分かるようになったので、今回は完走できました。2022/04/26
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- 和書
- 一度きりの大泉の話