内容説明
100余篇の小説から9篇厳選。
著者等紹介
タイナン,キャサリン[タイナン,キャサリン] [Tynan,Katharine]
1861年ダブリンに生まれる。子どもの頃に詩の創作を始め、1878年に初めて自作の詩が出版される。20歳代半ばには著名な詩人となっていた。同世代の詩人・劇作家ウィリアム・バトラー・イェイツと親交があったことはよく知られている。1893年弁護士のヘンリー・ヒンクソンと結婚し、ロンドンで暮らし始める。1911年に夫が治安判事に任命されると、一家でアイルランドのメイヨー県に移り住んだ。夫の死後、本拠地をロンドンに移す。1931年にロンドンで病没。百篇以上の小説、十数冊の詩集、十数冊の短篇集、数冊の回顧録などを執筆し、ジャーナリストとして新聞記事を書いた。アイルランドで最も多作な作家のひとり
高橋歩[タカハシアユミ]
新潟薬科大学教授。英国バーミンガム大学大学院博士課程修了。専門は英語教育。留学中に旅行したアイルランドに魅了され、毎年現地を訪れるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
17
アイルランド人作家による短編集。1896年から1915年に書かれたもので、幽霊譚や不思議な話が多い。時代的な文学の雰囲気はたっぷりで、神の愛などの宗教的なテーマがほとんどだったけれど、読んでいて安心できる温かい雰囲気のものがほとんどで、読後感が良かったです。2024/03/16
timeturner
7
幽霊が出る話が多いけれど、いわゆる怪奇小説とは趣が異なり、恐怖ではなく、幽霊が現れることになった事情に重点が置かれている。カトリック的な価値観に疑問を感じる場面もあるけど、当時の読者層を考えれば当然か。個人的には飄々としたユーモアのある「裕福な女」みたいな話をもっと読みたい。1896~1915年の作品から選んでいるので、作品中で描かれるアイルランドはまだイギリスの支配下にあり、収録作の多くに貧困に苦しむ人々の姿が見える。2024/01/30
アヴォカド
7
ちょっと不気味で不思議な話もあれば、”いい話”的なオチでまとまった話もあって、この人多彩なんだろうな、もっと読みたいな、と思った。面白かった。2023/12/20
gibbelin
3
わりと「愛蘭土の百姓の幽霊のことばかり考えていた」 人生を送る吾人には理想の短篇集。2024/02/04