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著者等紹介
コハノフスキ,ヤン[コハノフスキ,ヤン] [Kochanowski,Jan]
1530年スィツィーナ(ポーランド)生、1584年ルブリン(ポーランド)没。19世紀にアダム・ミツキェーヴィチが出現する以前のポーランド文学において最も傑出した詩人とされる。ラテン語でも執筆した。その文学には、ギリシア・ローマ古典文化の継承に代表されるルネッサンス期欧州共通の特質に加えて、宗教的寛容、田園生活の礼讃、鋭い民族意識といったポーランド的特徴を見て取ることができる
関口時正[セキグチトキマサ]
1951年生まれ。東京都出身。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(比較文学比較文化)修了。東京外国語大学名誉教授(ポーランド文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
7
幼くして亡くした愛娘への悲しみの思いが綴られている。この作品の特徴をポーランドの詩人チェスワフ・ミウォシュは以下に説明する。本作品の基本的な構造はすべて伝統に倣ったものだ。しかし”哀歌は、古代に遡る長い伝統を有し、詩人が悼むことができるのはなんらかの傑出した人物に限るという基本的原則に立っていた。”コハノフスキは無名の娘にこの詩形式を適用させている。一方で伝統を、他方で革新を。たんに娘の死を嘆いた歌ということではなく、そのなかで二つの潮流がぶつかり合っている。それがこの詩が現代まで残っている所以とのこと。2014/03/03
刳森伸一
4
当時、詩人が悼むに足る人物は何らかの偉人に限定されていたが、コハノフスキは、幼くして亡くなった自分の娘を悼むことで、当時の因習を破り、その代わりに、形式的には完全に従来の挽歌を踏襲しているらしい。それは、挽歌が、悼むに足る偉人を悼む歌ではなく、悼まずにはいられない人を悼む歌であるべきだと訴えているように思えた。19篇の挽歌からなる本作は、その1行1行に娘の死を嘆き悲しむ思いが溢れていて、読んでいて辛くなるほど。気を抜くと、涙が零れそうになる。2020/01/07
まゆ
0
感想書きづらいが、素直に娘を失った悲しみを書いてる印象。ただ宗教関連の言葉とか人物とか知識がない分理解しづらい部分もあった。2015/12/07
起死回生の一冊を求めて
0
図書館で何気なく手に取り、挽歌二の1ページ目を読んでなぜか興味を惹かれ、そのまま全部読んでしまいました。子供を失ったことはないけれど、子供を持つことを経験した現在、こういう本はどうしてもおざなりにできない。最後の結論はちょっと宗教っぽい結論であまり好きではないけれど、そこまでにいくつく一行一行が心に直接響きます。2022/09/23