内容説明
愛されずして愛す。眠れずしてベッドにいる。来るのが分からずして待つ。人を殺すのはこの三つ。どうしたの?何を考えてるの?私を愛してないの?フランス最南西部の避暑地アンダイエとパリ、若い恋の一部始終。21~22歳で執筆、23歳の時雑誌発表となった最初の長篇作品。
著者等紹介
ネミロフスキー,イレーヌ[ネミロフスキー,イレーヌ] [N´emirovsky,Ir`ene]
1903~1942。ロシア帝国(現ウクライナ)キエフ生まれ。革命時パリに亡命。1929年「ダヴィッド・ゴルデル」で文壇デビュー。34年、ナチスドイツの侵攻によりユダヤ人迫害が強まり、以降、危機の中で長篇小説を次々に執筆するも、1942年にアウシュヴィッツ収容所にて死去。2004年、遺品から発見された未完の大作「フランス組曲」が刊行され、約40ヶ国で翻訳、世界中で大きな反響を巻き起こし、現在も旧作の再版や未発表作の刊行が続いている
芝盛行[シバモリユキ]
1950年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2008年以降、イレーヌ・ネミロフスキーの翻訳に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
58
人生の最高潮が幼児期に来てしまったイヴ。彼は自分にはもう下降しかないと人生を諦めきっている。どうしてまき返そうとしないのかと私などはもどかしくて仕方ないのだが、イヴは作者の分身ではないか、と気付いた。作者はロシア帝国のキエフで新興の金融資産家の娘として生まれ、ユダヤ人排斥の暴動に怯えながら少女時代を過ごし、革命の騒乱を避けてパリに亡命。経済的には恵まれていたが家庭的な家ではなかったようだ。ユダヤ人として排斥され、革命で国を追われ、彼女は何を支えに生きていったらいいかわからなくなっていたのではないだろうか。2023/09/27
のっぽくろねこ
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◎ 素晴らしい2023/06/07