内容説明
「キリスト教への改宗か追放か」スペインを追われるユダヤ教徒たち。聖遺物をめぐる事件で孤児となった十三歳のヨナは、父と兄の殺害者への復讐心を胸にスペイン国内を逃亡しつつ成長する。グラナダで会ったジプシーのミンゴから価値の多様性を学び、船員見習いとして行き着いたジブラルタル。武具師への敬愛と別れ、医師との必然的出会い、「肉体を癒す」医師になって働くと、心の癒しから怨讐の忘却へと成長していた。―1492年、ユダヤ人がスペインから追放された歴史的事件から始まる歴史小説。ケ・レエル賞(スペイン)、ジョバンニ・ボッカチオ文学賞(イタリア)受賞作!
著者等紹介
ゴードン,ノア[ゴードン,ノア] [Gordon,Noah]
1926年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウスター生まれ。15歳の時アメリカが第二次世界大戦に参戦、高校卒業後の1945年2月から歩兵として従軍した。戦後両親の強い薦めで医学部へ一学期間通った後、ボストン大学でジャーナリズム学を学ぶ。出版社、フリーランス、新聞記者等を経て作家に
木村光二[キムラコウジ]
1949年、千葉県船橋市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。イスラエルのキブツの農場で一年間働きながらヘブライ語を学んだ後、1978~80年、エルサレムのヘブライ大学イスラエル思想学科留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中海
1
非常に読み応えあった。1490年スペイン。ユダヤ人として産まれ一家が離散し、少年だった主人公も表面上は改宗して色んな仕事に付きながら生き延びる一代紀。どの職業も見習いから入りながらも、難しく厳しい仕事を切々とこなすが、教会にあんまり行ってなかったり、ちょっとしたことで疑いがかかり、すぐに流浪の民となる。とある一家は、おばあさんがむかーしに親族にユダヤ人がいたというだけで、家族全員が火炙り。内容的には専門的な記述が多いが、非常に丁寧にわかりやすく訳してあり、ひきこまれつつ、堪能出来た。2021/12/31
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