内容説明
あのハイネをして「ゲーテは別格ですが、あなたほど私の愛する歌謡詩人は他にはいません」と言わしめた、偉大なる詩人の実像と復権、小詩集80頁併載。
目次
1 ヴィルヘルム・ミュラーの生涯(デッサウに生を受けて(一七九四~一八一二)
デッサウを離れて(一八一二~一八)
デッサウでの再出発(一八一八~二七))
2 旅するはミュラーの歓び(イタリアの旅 紀行ジャーナリズムの誕生;ロマン派の旅 ロマン派の衣装をまとって;ユダヤの旅 オリエンタリズムの先駆け;ギリシャの旗 ギリシャ人・ミュラーの誕生;ワイン王国の旗 政治的シャンソン;冬の旅 共同体の夢からの逃亡者;夏の旅 旅するはミュラーの歓び)
3 旅の碑ヴィルヘルム・ミュラー受容史(シュヴァープ「ミュラー伝」の功罪;息子マックス・ミュラーの残したもの;アメリカのヴィルヘルム・ミュラー研究;遺稿の旅;デッサウの碑;ドイツの碑 そして世界各地で;日本に於けるヴィルヘルム・ミュラー;ヴィルヘルム・ミュラー 小詩集)
ヴィルヘルム・ミュラー小詩集
著者等紹介
松下たえ子[マツシタタエコ]
長野県生まれ。ベルリン自由大学文学博士号取得。成蹊大学元教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tieckP(ティークP)
6
ヴィルヘルム・ミュラーはドイツ・ロマン主義時代の文筆家・詩人。シューベルトのリート「美しき水車屋の娘」「冬の旅」でのみ知られる。本書は彼の経歴と旅路を紹介し、イタリア旅行記や、今でも百科事典で有名な出版社ブロックハウスでの執筆・編集でも活躍していたことを示す。ミュラーが一番慕ったのはティークであり、彼の住むドレスデンに移りたいと願い、デッサウの自宅でもティークのような文化サロンを実現しようとしたという。たいへん活動力のある人物で、ティークと深く関わった人物らしく早世したのが残念である。興味深い本だった。2021/10/06
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