内容説明
20世紀ロシア文学最大の奇才、前衛文学・芸術グループ「オベリウ」を率いロシア・アヴァンギャルドの最後の光芒のごとく消えていったダニイル・ハルムス。ソ連当局検閲強化の下、地下出版で読み継がれた翻訳不能と言われたザーウミ詩から、音の入れ替えで楽しさを増幅させる児童向けの話、理路整然とした評論や日記・手紙の類まで網羅したハルムス作品の全容、新訳。
目次
お粥と衣装箱を飲みなさい―大人向けに書かれたもの(鉄道での出来事;火事 ほか)
ルク!ラク!リク!レク!―子ども向けに書かれたもの(イワン・イワーヌィチ・サモワール;イワン・マサカリシュキン ほか)
世界を登記する―エッセイ・論考(サーベル;多かれ少なかれエマソンの要点に基づく論考 ほか)
言語機械―手紙・私記(パステルナークへの手紙;プガチョワへの手紙 ほか)
附録 リアルな芸術―ハルムスについて書かれたもの(オベリウ宣言)
著者等紹介
ハルムス,ダニイル[ハルムス,ダニイル] [Хармс,Даниил]
1905年ペテルブルグ生まれ。詩人・小説家。1920年代にロシア未来派の影響下で文学活動を開始。1927年には、ヴヴェジェンスキーやザボロツキーなどの詩人仲間とともに、前衛的な芸術家グループ「オベリウ」を結成。1930年代は主に児童文学の分野で活躍した。しかし、スターリン政権下のソ連で弾圧に遭い、1941年に逮捕。翌1942年に監獄病院で死去した。長いこと忘却されていたが、1960年代後半から、その突飛な創作が欧米で注目を集めはじめる。現在では、20世紀ロシア文学史に欠かせない重要人物の一人となった
小澤裕之[オザワヒロユキ]
1982年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、関東学院大学講師。専門はロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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