内容説明
一九六〇年ごろ、京都のブリティッシュ・カウンシルで英国文化の普及に尽力した経験を色濃く反映した傑作戯曲。ある英国人夫妻の書生になって生きた英語を学ぶ純朴な青年。彼は英国美女の誘惑に溺れ無邪気さ、朴訥さ、慎ましさといった青年特有の美徳を失っていく…夫妻は彼をどう導くのか―フランシス・キングが描く成熟した「感情教育」とは―。
著者等紹介
キング,フランシス[キング,フランシス] [King,Francis]
1923年スイス生まれ。幼年時代を父親の勤務地インドで過ごす。オクスフォード大学で古典学を専攻、学生時代『暗い塔へ』で文壇デビュー。1949年よりブリティッシュ・カウンシルに入り、イタリア、ギリシア、エジプト、フィンランドに赴任、行く先々の国を舞台に小説を発表する。1959年より63年までブリティッシュ・カウンシル京都支部長として日本に滞在。日本勤務を最後にブリティッシュ・カウンシルを去り、帰英して文筆に専念。代表作に日本を舞台にした『税関』のほか、1951年『隔てる川』(サマセット・モーム賞)、1964年『日本の雨傘』(キャサリン・マンスフィールド短篇賞)、1970年『家畜』、1978年『E.M.フォースター評伝』、1983年『闇の行為』(「ヨークシア・ポスト」小説部門年間最優秀賞)などがある。1978年から85年まで英国ペンクラブ会長、翌86年から89年まで国際ペン会長を務める。長年にわたるその優れた業績により、1985年、英国王室よりコマンダー勲章(the C.B.E.)を、2000年、英国ペンクラブより金ペン賞を、そして2011年、王立文学協会よりベンソン・メダルを授与される。2011年7月3日、ロンドンにて死去
横島昇[ヨコシマノボル]
1953年京都府に生まれる。1976年京都外国語大学卒業、80年同大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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