内容説明
アリスが守り続けるアイルランドの伝統的クリスマスには、遠く離れたわれわれにもどこか懐かしさを感じさせるものがある…
目次
『まぶねの中に』
ヒイラギ集めの日曜
緑の贈り物
ケーキとプディングとパイと
便りのやりとり
季節の読み物
プレゼントを買いに
クリスマスマーケット
オープンハウス
飾りを納める戸棚
飾りつけ
コケ集め
高貴な贈り物
窓辺のキャンドル
神聖な懸け橋
クリスマスイヴ
クリスマス当日
小クリスマスまで
著者等紹介
テイラー,アリス[テイラー,アリス] [Taylor,Alice]
1938年アイルランド南西部のコーク近郊の生まれ。結婚後、イニシャノン村で夫と共にゲストハウスを経営。その後、郵便局兼雑貨店を経営する。1988年、子ども時代の思い出を書き留めたエッセイを出版し、アイルランド国内で大ベストセラーとなる。その後も、エッセイや小説、詩を次々に発表し、いずれも好評を博した。現在も意欲的に作品を発表し続けている
高橋歩[タカハシアユミ]
1967年新潟市生まれ。新潟薬科大学准教授。英国バーミンガム大学大学院博士課程修了。専門は英語教育。留学中に旅行したアイルランドに魅了され、毎年現地を訪れるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
94
アイルランドの人気作家が語る豊かなクリスマスの思い出。時間軸は幼少時から80歳現在まで自由自在に往還するが、準備から祝い方まで殆ど変わっていない。プレゼント、ケーキや菓子、便り、飾りつけ、読み物、どれも思い出が蓄積されていて人生を振り返る一大イベントたらしめている。親や師から受け継いできた伝統を忠実に守ろうとするこの精神は、文化も土地も時代さえも隔へた読者に郷愁を惹起させるのではないか。平明かつ素朴な文体に加えて挿入される写真も温かみに溢れていて、本当にツリーやクリスマスグッズに生命が宿っているかのよう。2024/12/28
アカツキ
12
1938年生まれの著者が過ごしたアイルランドのクリスマスについて書いたエッセイ。クリスマスの準備からお片づけまで。クリスマス特有のワクワク感、家族や周囲の人たちへの優しい視線や愛情がたっぷり詰まっていて幸せな気持ちになった。特に好きなのは季節の読み物とクリスマスマーケットの章。暮らしの手帖「すてきなあなたに」シリーズが好きな人はこの本も好きだと思う。著者のほかの本も読んでみたい。2021/08/20
paco
8
冬になり、クリスマスに向けて、アイルランドの人々の日常が綴られています。敬虔な人々の厳かで伝統的で家庭的なクリスマス。 庭のヒイラギを剪定したり、何日も前からケーキを仕込んだり、村の小さなお店でクリスマスカードを吟味したり。読んでいるとどこか懐かしいような、心が豊かになっていくような気持ちになります。 本書のような、あたたかく、満たされた気持ちになる本が大好きです。良いなぁ、幸せだなぁって思いながら読みました。2019/01/04
belle
6
クリスマスを迎える準備はなかなかに楽しいものだ。著者アリス・テイラーの胸の高まりが伝わってくる。赤い実をつけたヒイラギの枝を森に探しに行くことや数々の馬小屋飾りにとりわけ心が躍った。それらを玄関に、部屋に、窓辺に、心を込めて飾りつける。幼き頃から今に至るまでのアイルランドのクリスマス節が詰まっていた。心温まる文章と豊富な写真。クリスマスのあとさきをアリスと共に慈しむ。今年のクリスマスは「ヒイラギ飾ろう」を何度も歌って過ぎた。また来年もこの本を。2019/12/24