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内容説明
ハプスブルク帝国の黄昏から第一次世界大戦。革命、独立、分断、激動のハンガリー・ブダペシュトであらゆる人間に潜む真理を書くこと―。
著者等紹介
デジェー,コストラーニ[デジェー,コストラーニ] [Dezso,Kosztol´anyi]
1885‐1936。ハンガリーの詩人・作家・評論家。オーストリア・ハンガリー二重君主国のサバトカ(現セルビアのスボティツァ)に生まれる。詩集『哀れな幼き子の嘆き』(1907年)で文壇デビューし、生涯にわたり多数の新聞雑誌で文芸記者として詩・小説・評論を発表。とくにハンガリー・モダニズム文学の礎を築いた雑誌『西方』の第一世代を代表する作家の一人。後年、ハンガリー・ペンクラブ会長も務める。代表的な長篇小説に『ネロ、血に染まった詩人』『ひばり』『エーデシュ・アンナ』『エシュティ・コルネール』など
岡本真理[オカモトマリ]
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪外国語大学助手を経て、大阪大学大学院言語文化研究科教授。研究テーマは近代ハンガリーの民族言語文学運動・文学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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春ドーナツ
17
「Woburn」は英語でした。ウーバン、ウーバーン、ウォバーン。お好きなものをどうぞ。米国マサチューセッツ州ミドルセックス群に位置する都市の名前。ちなみに。1640年ミスティック川の主要水源であるホーン池近くに入植したのが始まり。町名は英国ベッドフォードシャーにある「Wobum」(ワーバン)から採られた(Wiki)。エシュティ君(ハンガリー生まれ)がメニューを見て首をひねるのもわかる気がする。どんなオムレツが出て来たと思いますか? 書影の飄々とした紳士は著者なのか。装丁に関する記載なし。実はですね・・・。2019/02/24
maimai
10
書店で手に取った本にピン!ときてその場で買ってしまうことが、最近は本当に少なくなった。まして、そうやって買ってきた本を読んだら予感が的中して、本当におもしろかったという体験はいまやそうあるものではない。本書は、久しぶりにリアル書店に行ってピンと来て買って本当におもしろかった一冊。読んだことはおろか名前を聞いたこともないハンガリーの、20世紀前半の作家だが、どの短編も瑞々しい。優しく語りかけるような文体で、人間のありふれた感情や行動を綴っているだけに見えたものが、ふと気がつくと物語にのめり込んでいる。⇒2022/02/21
tow
10
短編集。優しいけど、ちょっと切り口が厳しい←誉めてる。水浴びがじっとり怖い。切ないけど、切なさには切り込まず、淡々と切り取った日常。いや、非日常。どっちだ?2018/09/12
メセニ
9
ハンガリーという国や作品が書かれた時代から想起されるよりもっと普遍的な内容を扱った性質の作品という印象(その理由などは訳者解説に詳しい)。成長や老い、生死など人間の真理に触れるものから、少年や若者、夫婦など庶民の暮らしの中の機微を描くものなど、我々を主題にした作品が17篇。『ヴォブルン風オムレツ』『エイプリルフール』『中国製の水差し』『山の中の小さな湖』、とりわけ『フリス・クリスティナの不思議な訪問』『水浴び』『マーチャーシュの婚約者』『太っちょ判事』『鍵』の5篇が良かった。2018/04/02
きゅー
8
時に、事件や事故が起き、呆然としながら、これは現実ではないと自分に言い聞かせたくなることがある。あるいは、人生の辛さや冷たさに涙を流すことがある。そうした出来事がここには収録されている。「ヴォブルン風オムレツ」での貧乏青年の惨めさ、「フルス・クリスティナの不思議な訪問」での恋人同士の心の移ろいやすさ。人生の正道を離れ、どこかで裏道に迷い込んでしまったような物語たち。確かで堅固なことなどない。正視したくはないが、この世は理不尽なことで溢れている。2019/02/20
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