内容説明
菊池寛作品の多彩、奥行き、成り立ち、そして東西にわたる評価を、コンパクトにまとめてみた。加えて芥川龍之介、久米正雄の文学にもふれ、菊池寛の対照化も図った。結果的に“作品”の解釈と分析、および評価を入射角としながら、作家の相貌を浮かび上がらせることに帰着した。テクスト論を標榜して、テクスト論的なるものの跋扈に終わった近代文学研究の“パラダイムチェンジ”。そうした風景に対する反措定であるかもしれない。
目次
第1章 作品解説に代えて(「三浦右衛門の最後」―冷眼とヒューマニズムと;「父帰る」をめぐる言説;「恩を返す話」成立の背景 ほか)
第2章 作品とその周辺(第四次『新思潮』のゲラ;「真珠夫人」考―発生する読者;「貞操問答」小考 ほか)
第3章 芥川龍之介と久米正雄(「邪宗門」異説―“別稿”をめぐり;「螢草」補注)
著者等紹介
片山宏行[カタヤマヒロユキ]
昭和57(1982)年、青山学院大学大学院文学研究科日本文学日本語専攻博士課程中退。同年、神戸山手女子短期大学着任。同短大助教授を経て、平成3(1991)年、青山学院大学文学部日本文学科着任。現在同学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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