内容説明
われわれの言語には読み方、意味共々に多様性が含まれる。非日常的に結合した固有名=登場者達があり得るかも知れぬ引力や斥力に促され自動筆記そのままに展開する独自の世界。
著者等紹介
遠藤徹[エンドウトオル]
1961年神戸生まれ。東京大学文学部・農学部卒。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。同志社大学グローバル地域文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あも
84
ただ思いつくまま、自動書記のように書き綴ったという実験的な4作品。手法と同一レーベルであることから古栗感を感じる…。こちらの方が品は良いけども。とはいえ、覚悟していた意味不明の展開では全くなく、どこか見知らぬ世界における土着の神話を目にしているように楽しめた。作者本人ですら帰着点が分からずに書いたということだが、世界が膨張していく中で登場人物の誰かにとっての1つの結末を迎える構成はむしろ物語の雰囲気にマッチしている。良い意味で、アイツはどうなったの?この世界はこの後どうなるの?という物語の広がりを感じた。2018/10/29
のゑる
1
読み進めるのが物凄く難解だった。「まーやー」「くれーしゃ」「麝香猫」「贄の王」の4篇で、特に「まーやー」は途中でもう読むのをやめようかと思ったぐらい。よくここまで悍ましく醜く気持ちの悪い描写ができるなと。絶対に映像化しないでほしい。世界の成り立ちや生死をも超越した存在など、神話や民話らしさもあり面白く感じる部分もあるが、如何せん強烈過ぎて吐気もし、やっと読み終えられてホッとしている。虫とか寄生とか近親相姦とかのグロテスクが大丈夫ならオススメ。2022/08/05
虹の蛇
0
不思議な表現力に圧倒されながら読了。民話というか土着の神に関する御伽噺を読んだ気になった。2015/03/04
Inzen_Komori
0
言葉の妙を味わえるかどうかということを目当てに購入した本だけど、ちょっと屈折した意味でその期待が裏切られた気分だ。というのもこの本、シュールというよりグロテスクな幻想奇譚が収録されたものだから。こういう文体には出会ったことないから純粋にわからないんだな。各話の物語もとても異質で、かろうじて『麝香猫』は追える程度。それ以外はなんていうか、「物語は骨太な様子で言葉の背後にどっしり構えて、言葉が『吸って』『吐いて』の薄く淡い呼吸を繰り返している」という感じ。2015/01/04
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