内容説明
ありきたりの草や木でもつねに新鮮な目で観察する節の態度は、文学者の域をこえて博物学者(ナチュラリスト)に近い。節の短歌を歌材ごとに分類、着眼点や表現法を時代順に追い、泥臭い素材と洗練された表現が織りなす長塚節の風景、その抒情歌としての深まりを味わう一書。
目次
春の憂悶(ハンノキの花―短歌連作の構造;カエル―田んぼの応援団 ほか)
夏の旅景色(西の旅路のマツ―教養の旅から羈旅へ;平潟のマツ―民俗写生の歌と散文 ほか)
秋の田園生態(草紅葉―地味な歌材の発掘;月夜のソバの花―夕闇に浮かぶ白 ほか)
冬の病中吟(根岸養生院のサザンカ―血にかも散る;杉はいぶせし―旧家の重圧 ほか)
著者等紹介
山形洋一[ヤマガタヨウイチ]
1946年大阪生まれ、東京大学農学部卒、農学博士(応用昆虫学)。71年日本のNGOの手伝いでネパール滞在。以後世界保健機関(WHO)専門家としてブルキナファソ、トーゴ赴任、国際協力機構(JICA)専門家としてグアテマラ、タンザニア、インド、ミャンマー赴任、熱帯病媒介昆虫の駆除、リプロダクティブ・ヘルス改善に従事。途上国における業務の参考として日本の農村貧困の記録に興味を持ち、長塚節の研究をはじめる。2013年よりフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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