内容説明
本書は、評伝ではあっても、チェーホフ本人も気づいていなかった、秘匿された宗教性を掘り起こそうとする。資料の収集と分析は手堅く、ドキュメントとしても十分な内容を含んでいる。
目次
ときのかなた
トゥルバー(水路広場)
医師チェーホフ
成長、最初の栄光
旅の途中で
サハリン島
休息
メリホヴォの最初の一年
リーカ、『かもめ』
メリホヴォふたたび
モスクワ芸術座
ヤルタ
恋について。クニッペル
『僧正』
最後の旅
補遺とコメント
著者等紹介
ザイツェフ,ボリース[ザイツェフ,ボリース] [Зайцев,Борис Константинович]
1881~1972。オリョールの没落貴族の家に生まれる。サンクト・ペテルブルク鉱山大学、モスクワ大学法学部に入学するがいずれも中退。チェーホフ、コロレンコに才能を認められ、作家の道を歩みはじめる。初期は、平明な言葉で風景画のように自然を描き、その後「ズナーニエ(知識)」派と活動をともにし、しだいに神秘主義的傾向を強め「自然主義と象徴主義が融合した」、独特の作風を確立。1921年作家同盟のモスクワ支部長に選出されたザイツェフは、飢饉の救済活動に参加し逮捕される。即時に釈放されたが、翌1922年に亡命。ヨーロッパ各地を転々としたのち、パリに定住
近藤昌夫[コンドウマサオ]
東京外国語大学大学院修了。専攻、ロシア文学。現在、関西大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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