内容説明
ナチスに利用されたニーチェ、妹エリーザベトによる私物化…。著者モンティナーリらのイタリア語訳の計画は、ねじ曲げられた全集原本を前に、急遽、自分たちで全集を編む方針へと変更された。多様に解釈されるがゆえに利用されたニーチェを、遺稿の精査から始まる歴史的、文献学的な手法でニーチェ自身にとり戻す。寄稿文、講演による大仕事の顛末とその成果。
目次
第1章 ニーチェを読む
第2章 ニーチェ諸著作の新批判的全集
第3章 一八七五年から一八七九年までのニーチェの幼少期の思い出
第4章 百年前のニーチェとヴァーグナー
第5章 啓蒙主義と革命―ニーチェと後期ゲーテ
第6章 「認識の情熱」としてのニーチェの哲学
第7章 『ツァラトゥストラはこう語った』以前のツァラトゥストラ
第8章 一八八五年から一八八八年までのニーチェの遺稿もしくはテキスト批判と力への意志
第9章 ニーチェの『この人を見よ』の新しい段落
第10章 アルフレート・ボイムラーとジェルジ・ルカーチの狭間にいるニーチェ
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