目次
遊ぼうよ
衝動
カルトゥーニストの仕事
沈澱
夕焼けと山師
ヤマノヒト或いは風来仙人のこと
太陽の抗議
オン・ザ・ロックの人人人…
わがプラトニックラヴ
わが濫読史
尾形亀之助
滑稽無声映画「形のない国」の梗概
親孝行の弁
マルス氏の食卓
難解なりという読者よ
辻まこと略歴
著者等紹介
辻まこと[ツジマコト]
1914年生まれ。本名辻一。詩人、画家。フリーのグラフィック・デザイナーとして文明批評的なイラストをはじめとする多くの作品を残し、山岳、スキーなどをテーマとした画文でも知られる。1975年没
琴海倫[コトミリン]
秋田県生まれ。法政大学社会学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
87
いつだって大人は仕事をしなきゃいけないけれど、遊び心はいつでも持っていたいもの。「遊ぼうよ。そんなに能率ばかり考えていないで、そんなに競争ばかりしていないでさ」著者のユーモアとアイロニーに満ちた挿画がシュールで楽しい。尾形亀之助「障子のある家」や宮沢賢治「春と修羅」を世間に広めた。戦前の空気と戦後の能率主義に背を向けて、豊富な読書からの知識と両親の批判精神を受け継ぐ斜に構えた文章は、遊んでいるようで、本質を見抜いている。銀座のバーで偶然草野心平と出会い、ポケットから尾形亀之助の詩集を渡すエピソードが印象的2021/01/01
にし
34
辻まことさんの山のコラムは好きですが、『鑑賞』として解説にも書かれてるように、この本のような社会や人に対する諷刺やユーモア、おどけや皮肉もサラリと書かれてる文も読み応えがあります。辻さんの本を読んでると人独特の価値観に縛られて大事な何かを見失ってる自分を俯瞰で見てるみたい。人間って面倒だけど私も人間。あぁ何も考えずに山に行きたいな。2014/04/05
朝吹龍一朗
1
大好きな著者の本。中央辺りにまとめられているカリカチャーだけでも必読(必見)。「マジメさの中に必然的に生じる鈍感さに気づかぬほどマジメな人(後略)」って、朝吹のことを指しているのだが、それでもそれが『必然』だけどね、しょうがないけどねえ、といったんは受け入れてくれる温かさにしびれる。辻さん好き! って、こんな手放しの礼賛書評は初めてかも。2011/07/31