内容説明
夏休み、少年アダモはカヤックに乗って「うなぎが山芋になる」方へ向かった。滝を昇り、洞窟を抜け、火口湖に辿り着いたアダモはやがてどこへかと過ぎて行った―。ベールに覆われたまま残された本作を作家・吉野せいと母・伊藤野枝、二人の女性との関わりを軸に解き明かす。新解釈を得て、読者は未開の新境地へと誘なわれる。アダモはアダモを過ぎて、どこへ向かうのか。
目次
『すぎゆくアダモ』について
すぎゆくアダモ
『すぎゆくアダモ』解釈
著者等紹介
辻まこと[ツジマコト]
1914年生まれ。本名辻一。詩人、画家。フリーのグラフィック・デザイナーとして文明批評的なイラストをはじめとする多くの作品を残し、山岳、スキーなどをテーマとした画文でも知られる。日本のダダイズムの中心的人物辻潤と婦人解放運動家伊藤野枝が両親。1975年没
琴海倫[コトミリン]
秋田県生まれ。法政大学社会学部卒。三重県鈴鹿市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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道草キャラバン
1
辻まことがどういう人かも知らず、ふとしたきっかけで手に取った本。一度読み、巻末の解説で辻さんの生い立ちや家庭環境などを知り、そのままもう一度読み直した。これは、辻さんが亡くなる前の最後の作品だという。収められているのは、12枚の絵。周囲に流されず自分の道を淡々と歩み通そうとしてきた著者の思いが込められた、哲学の本なんだと感じた。2016/03/03
クジラ
0
何気なく図書館で手にして読んだ。巻末の解説を読んで初めて理解できた。細い線で描かれた描かすてきで印象的でした。2024/12/06
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- 和書
- サー・トマス・マロリー