内容説明
真夏のある日、裸足の少年が痩せこけた犬を抱えて田舎道を走っています。少年の名前はグステル。隣村の池で溺れかけていた犬を助けタップという名前を与え、林や、湖へ、どこへ行くにも一緒です。幼い頃母親を亡くしたグステルは漁師の父親が学校に関心がないのを良いことに、母親代わりのお婆ちゃんにいつも心配をかけてばかりいました。自分は勉強しないでも良い点がとれる、という自惚れ…。今日も朝から学校をさぼってカワカマスを捕りにでかけます。村でも学校でも孤立していた彼は、元の親友との仲直りをきっかけにピオネールの工作教室で帆船模型づくりをはじめます。今まで見えてこなかった仲間と一緒に物を作る喜び、他人に喜んでもらえる尊さに、新鮮な驚きを味わうグステル。さあ、時間がありません、数週間でレース当日です…。少年から大人へ。信頼の尊さ、労働の喜び。ひとりの少年の成長譚。1951年度児童文学作家コンクール入賞。
著者等紹介
プルードラ,ベンノー[プルードラ,ベンノー][Pludra,Benno]
1925年ドイツ東部のミュッケンブルク生まれ。第二次大戦後ベルリン大学とハレ大学で独文学・芸術学などを学んだあと、教員、ジャーナリストを経て、51年児童文学作家コンクールを契機に児童文学作家となる。現在までに40冊以上の作品で500万冊以上刊行されている。東独児童文学界の第一人者として特別の待遇を受け、西独への旅行も許されたという。東西ドイツ統一後も活躍し現在に至る。2004年ドイツ児童文学賞特別賞(作家賞)受賞
森川弘子[モリカワヒロコ]
徳島県生まれ。広島大学卒業後、1974年東洋工業入社、85年までドイツ語の翻訳に従事。81~82年ミュンヘン大学に留学、神話学等を学ぶ。90年より人形劇ペポのメンバー。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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