内容説明
日本生れフランス育ちを自認するきだみのるの生涯と言説の全貌!!きだが生きた20世紀の日本は「国家と戦争」の、「集団妄想と狂熱」の、つまり「精神的狭隘と自閉」の時代であった。しかし彼は当時の集団意識には同調せず、自由に自らの目で共同体の核心を凝視し、論理的に思索してその幻想性を書き綴った。彼の記述は飽くまで明晰で、胸の中を風が吹き抜けるように心地好い。しかも、経済の効率性にのみ導かれる妄想情報化社会を生きるわれわれに確実な指針、ミニマルに思考し確かに生きるセンスを教えてくれる。
目次
prologue(飽和と蕩尽―自由であるためのフィールド;キールン・函館・東京―旅の装備)
第1部 マラケッシュまで(パリ・ラバ―異空間への誘い;大西洋の町々―統治のかたち ほか)
intermezzo モースの教室から(モース教室の日本人学生;ミカドの聖性と古代ギリシア ほか)
第2部 村へ(深層の日本へ;ミニマルな生のあり方 ほか)
´epilogue 小説のきだみのる(描かれたムラ八分;神木の伐採、入り乱れる欲望 ほか)
著者等紹介
太田越知明[オオタゴシトモアキ]
1948年北海道に生まれる。明治大学法学部卒業。出版社ほかの勤務を経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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