著者等紹介
ロープシン[ロープシン][Ропшин,В.]
1879‐1925。革命家、テロリスト、作家。本名ボリス・サヴィンコフ。1879年貴族の子息としてウクライナのハリコフに生まれる。1903年エスエルに入党、戦闘組織メンバーとして要人暗殺(内相プレーヴェ、皇族セルゲイ大公等)のテロを指揮。06年逮捕、死刑を宣告されるが逃亡、亡命。第一次大戦で仏軍に志願、17年の二月革命後、臨時政府の国防次官となり、コルニーロフ反乱に加担し党を除名。10月革命後は反ソ活動に終始し、20年白衛軍を結成、24年にロシアに潜入し国境で逮捕、獄中で自殺したと言われる。09年「ロシア思想」誌に発表された自伝的小説「蒼ざめた馬」は、エスエルの空虚な内面を描いてセンセーションを巻き起こす。12年「夢幻の人びと」、23年「漆黒の馬」、26年「テロリスト群像」等がある
工藤正廣[クドウマサヒロ]
1943年青森県黒石生まれ。北海道大学卒。現在同大学教授。ロシア文学者・詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
22
輪読ゼミで学生が紹介した本。ロープシンは革命家でテロリストで作家。自分たちと敵はどう違うのか、なんのために人を殺すのかと悩むテロリストの日記風の小説。そういう悩みや迷いも含めて自己陶酔している感じ。女性に対しても不誠実極まりない。翻訳者は「愛の物語」と絶賛するが、なんの愛? テロリストだって悩んでる、みたいな作品を書き残したのも、結局のところ、自己愛、もしくは「アリバイ」的なものでしかないんじゃないのかという印象。全体としては共感できないが、こういう機会でもなければ読まなかったものに触れられたのは収穫。2020/01/14
OHNO Hiroshi
2
名作。実際の、リアルな革命家、テロリストによる小説である。自分も、そのように死んでいった。太宰治の言葉を思い出す。「人生は恋と革命のためにあるのだ」2016/02/28
Caivs Marivs
2
読んでるうちに権力者に爆弾を投げたくなってくる危険な本です。僕はせいぜいレモンくらいしか投げられませんが。
kanamari
1
詩的な文章。残酷だったり、時に美しい。理不尽で、希望を見出だせない世の中に自分の人生をこのような形でささげてしまうのは、勿体ないと思う反面 そうするしかない空しさもただ否定することは出来ないと想像した。生きる目的とかって、この世界って何なんだろうと、漠然と思ってしまった。2012/10/24
だん
0
蒼ざめた馬は再読、漆黒の馬は初読。2012/05/07
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