内容説明
溢れるユーモアと暖かな視線が緊張した言葉に収斂する表題作を含む新作詩11篇と世界の風景写真30点による心豊かなコラボレーション。
目次
いいあいさつ
あくび
つじつまぶし
あれれ
アスベスト
からだ
口あけ儀式
あっけらかんさ
ねごと
そのへんを
対談
著者等紹介
まどみちお[マドミチオ]
1909年山口県生まれ。第2次世界大戦前、臺灣総督府に勤務しつつ詩作を始める。1994年、国際アンデルセン賞作家賞を贈られる
みやこうせい[ミヤコウセイ]
1937年岩手県生まれ。エッセイスト。メルヘン、批評など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
53
あっけらかんとして、嫌みのない言葉たち。主張はしても、必ずしも意味を伴わなくてもいい。詩には日本語でしか表現することができない味わい深さがあるのだということに気づかされる。公害、戦争、政治、性、生…さまざまな事柄が詩という媒体を通して表現できてしまうおもしろさ。そして、詩だからこそ難しい問題も軽妙に、やんわりとたしなめることができるのかもしれない。まどさんの詩に始めて触れました。95歳とは思えない力強さとユーモア溢れる言葉使いに、ただ感嘆するばかりです。みやさんの風景写真とのコラボも素敵です。2013/02/17
遠い日
7
まど・みちおさんが95歳当時の詩集。まどさんの詩の間に挟まれたみやこうせいさんの写真がまたいいのだ。どういう基準で写真を選んだかのことばが、まどさんとみやさんの対談の中にあった。子ども向けの詩とはまた異なって、ユーモアをまぶしたことばの中の辛辣な世情への批判や人生への言及やが、気づきを持って迫ってくる。なかなかの舌鋒であるのだ。詩人の目は、このように澄んで本当を見分けるものかと驚きを感じる。2020/10/02