内容説明
戦争末期の昭和20年1月大阪から四国徳島のお寺に集団疎開していた大阪の小学3年生29人の宿舎が炎上、16人が死亡した。地元貞光町では翌年地蔵尊を建立して現在もなお1月29日供養会を開催し続けている。大阪の小学校では毎年後輩たちが千羽鶴を折って貞光町に送り続けているが…6年生の一人が「よその土地の人がお祭りしてくれてはるのに、生まれた土地のこの学校には何にもない!」「なんでやねん」「おかしいやんか」と供養の形骸化に疑問の声をあげ、…鎮魂のモニュメントに結実した。
目次
1 おかしいやんか
2 かんにんやで
3 そんなあほな
4 がんばりや
5 ほっとけるかいな
6 ご縁でんな
7 みんなで作るんや
8 おめでとさん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかちゅう
6
大阪の南恩加島小学校では、毎年、徳島県の真光寺に千羽鶴を送っている。集団疎開先で亡くなった16人の児童のための十六地蔵の供養式に送るためだが、それが形だけになっていることに1人の児童が「おかしいやんか」と声を上げる。そこから忘れられかけていた集団疎開の悲劇をめぐって、母校に慰霊のモニュメントを建てようとする子どもたちと先生たちの奮闘が始まる―。実話をもとにしたお話。何度も涙をぬぐいながら読んだ。戦時中の大変な状況も心を打ったが、現代の戦争を知らない世代と、当事者の間にある〝温度差″について書いてあったの⇒2016/07/21
すずえり
0
十六地蔵物語の続編2008/08/27