内容説明
ジャンヌ・ダルクに心ひかれた著者は、歴史の彼方の面影を求め、折畳み自転車を抱えて中世フランスを探す旅に出る。鉄道とバスの尽きる地点からは、愛車を組み立てフランスの野を、道なき道を、山を谷を、風雨の中の真夜中も、はてはハイウェイ(!)までも駈け抜ける、もうひとつのツール・ド・フランス物語。パリ、シノン、オルレアン、ランス、コンピエーニュ、ルーアンそしてドムレミ。ジャンヌ誕生の地と重要都市をハブ(基軸都市)として、彼女が歩んだすべての道をたどり、ひたすらペダルをこぎ続けたジャンヌ・ダルク巡礼奮闘記。著者撮影による豊富な写真図版、眼と足で確かめた市街案内・詳細マップは、正確な鉄道・自動車・自転車ルート案内とあいまって、最良のガイド・ブックとなっている。ジャンヌは真に救国の乙女だったのか、ただの田舎娘か、それとも焚かれた魔女か、神に迎えられる聖女か。巻末の小論は、わかりにくい百年戦争時代のフランスを解き明かし、六百年前の乙女の姿を浮き彫りにする。
目次
1 パリ
2 シノン
3 オルレアン
4 ランス
5 コンピエーニュ
6 ルーアン
7 ドムレミ
百年戦争とジャンヌ・ダルク
著者等紹介
三木宮彦[ミキミヤヒコ]
1933年4月東京生まれ。東京外国語大学スペイン語科卒。NHK国際局編成部職員および国際短波放送北欧向け番組PD映画評論家。専門分野はベルイマンを中心とする北欧映画および北欧文化一般
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感想・レビュー
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千尋
8
フランスの英雄ジャンヌ・ダルクの面影を求め、自転車でジャンヌのゆかりの地を巡る本**農村の少女であったジャンヌは天使のお告げを聞いたのがきっかけで百年戦争に参戦して勝利を導きますが・・コンピエーニュの戦で捕虜となり、宗教裁判で異端者として火刑になって短い生涯を終えます。男装をして戦い、純潔を守り続け、キリスト教に信仰深かった彼女は・・まさに聖女というべき女性だと思いました**2011/09/03
ユコリロ
0
ジャンヌ・ダルクについてほとんど何も知らなかったので、巻末の「百年戦争とジャンヌ」から読みました。街の案内自体は、著者が実際に自転車でたどったエッセイ調で読みやすかったです。いくつか行ったことのある場所があり、知っている通りの名があり、これから街歩きが楽しくなりそうです。2013/08/02