感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜子
21
タイトルに惹かれ書店で手にした。詩とエッセイ、そして猫。北村太郎氏は猫好きで、動物好きな方だったそう。詩やエッセイからも生きもの達への愛おしさが、優しさが溢れていた。詩は何度も読んで、読んで、北村太郎氏が感じた欠片を掴めたらいいなぁ。2023/09/19
qoop
6
猫を詠んだ詩とエッセイ。偏愛の領域に踏み込まずある種の観察者であろうとしながらも慈愛の念強く猫と接する著者。そうした姿勢がそのまま表れた作品ばかりで、微笑ましくもあり、同時に切なさも覚える。真っ当に行けば自分より短い生を送る猫を見送り、人生を重ねることの哀しみと対するうえで、観察者としての距離感は自分自身を鎧う防衛線ではないかと察せられた。著者自身による挿画も俳趣があって程良いアクセントになっている。2021/05/01
timeturner
5
詩人であり翻訳家だった北村太郎が書いた猫の詩やエッセイを自筆の挿絵や写真とともにまとめてある。猫は好きだが「猫きち」ではないと言いきっているが、激しさはないものの穏やかで見守るタイプの愛情を感じる。人にも猫にも。2021/09/10
チェアー
5
猫は詩人に似合う。 どこかにふらりと行っては、好きなときに戻ってくる。 甘えていたかと思うと、爪を立てて嫌がる。 北村さんもきっとそんな猫を見ながら、自分もそうありたい(そうなってしまったのか…)と思っていたにちがいない。2021/06/22