感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KI
25
飛ぶ鳥の白い羽が空から落ちてきて 空は青いということを知る2020/06/14
いやしの本棚
14
解説や訳者あとがきをいれても64ページ、平易な訳文は読みやすく、激しい言葉もない、叫びも。1943年のワルシャワで書かれた、カール・ラーションの絵のように牧歌的な風景がひろがる詩集。牧歌的な? だってこの詩集の言葉はつよい。不安の中で、暴力の中で、それでも「世界」は「まやかしではないと 信じる」なんて。思い出したのはハンナ・アーレントの言葉。「この世界がわれわれに安心を与えてくれるのはただ、この世界の存在を他の人々もわれわれに保証してくれる場合だけ」2016/04/17
きゅー
10
いかにも牧歌的な詩が収録されており、一見流し読みしてしまった。部屋へ差し込む西陽、草原の風景など優しげな詩ばかりだ。しかし、これらの詩が1943年の占領下のワルシャワで書かれたことを知れば、そこに描かれた風景は一変する。ミウォシュがこの詩で描いたのは、あるべき姿の世界だという。のどかな自然の風景が最もそぐわない場所で書かれたこの詩、明日の自分の生死も判然としない世界で書かれたこの詩には、見えない力が宿っている。その力とは、こうして時間と空間を隔てたいま頁を紐解いた時に顕れ出る人間の尊厳だ。2016/06/29
コーギー
3
ため息が出てしまう詩集。訳も綺麗。 あまり説明書きをしたくはない。好きな一節を一つ原文と拙訳で載せる。 Miłość to znaczy popatrzeć na siebie,/Tak jak się patrzy na obce nam rzeczy,/Bo jesteś tylko jedną z rzeczy wielu. [拙訳] 愛とは、まさに自分より他の諸物を見るように、自らを見つめることである。というのは、あなたも数多の諸物のうちのたったのひとつにすぎないからだ。2020/05/28
hobby no book
2
内容というより、翻訳ということもあって難しい面はあるけれど、使われている言葉(単語)がいまいちピンとこなかったのでそれほど響かず。2017/07/30