感想・レビュー
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きさらぎ
4
朱熹の同時代人(9歳年少)で、後に陽明に高く評価された象山。やはり朱熹との関係性が面白かった。多くの弟子を教育したが、書を著さず、注釈書も作らなかった。「本心はただ一であり、それを知ることが学問」「六経は私の(そして全ての人の本心の)注釈であり、私が六経を注釈する必要はない」「字義に拘泥するよりも、分明でない箇所はしばらく措き、自然に判るのを待つといい」「大切なものは志と義利の弁」という。象山は年長の朱熹に対しても対面で書簡で相当率直な論争を仕掛けたようで、朱熹はやや辟易したのではないか、と思ったりする。2017/03/11