内容説明
松江監獄を脱走した「竹橋事件」の被告、元近衛砲兵大隊砲卒中山清三郎は、茨城県での「加波山事件」を経て、埼玉県大宮郷に潜入した。そこには生糸相場の大暴落のなか、明治政府の酷税政策と高利貸しの横暴に泣く数千の農民がいた。困民党に結集し、武器をとって蜂起した彼らの怒りは燎原の火となり、「秩父事件」へと発展していく。自由民権運動の視角から、日本近代農民の権力に対する抵抗のルーツを、執念をもって描きつづける大河小説の第3巻。
松江監獄を脱走した「竹橋事件」の被告、元近衛砲兵大隊砲卒中山清三郎は、茨城県での「加波山事件」を経て、埼玉県大宮郷に潜入した。そこには生糸相場の大暴落のなか、明治政府の酷税政策と高利貸しの横暴に泣く数千の農民がいた。困民党に結集し、武器をとって蜂起した彼らの怒りは燎原の火となり、「秩父事件」へと発展していく。自由民権運動の視角から、日本近代農民の権力に対する抵抗のルーツを、執念をもって描きつづける大河小説の第3巻。