内容説明
1999年夏、少女は屋上から身を投げる。彼女の残した終末への予言は、学園という閉鎖された空間を狂気へと導く。自殺した少女の机に供えられた花瓶で教師を殴ったその少年は宣言する。世界は確実に終わる。自分はその先へと至る救世主である、と。それは、終末はないと信じる水上行人にとっても大きすぎる世界の変貌をもたらす。1999年パソコンゲーム界最大の話題作がいよいよノベライズとなって登場!すべての対が終える空とはいったい何なのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒兎さなぎ
2
二律背反、論理哲学論考、ヴィトゲンシュタイン、プールの排水溝が秘密のアジトだったり『閉鎖世界においての終末』的な2000年代前半特有のサブカルテイストが素敵でした。ちなみに音無の「すき」に対する「まるではるか昔の遺跡から掘り出した文章を、あなた宛てです、と差し出されたような奇妙な感じ」っていう行人の地の語りが好き。浅田寅ヲあたりが漫画化したらイイ感じに仕上がるんじゃないかしらん。ともかく原作未プレイなわけで、どこかで出会った折には多少高額でも購入したいと思う。ニャルラトホテプ……てけりり……2013/08/03
日光一
1
知る人ぞ知る電波ゲームの小説版。「素晴らしき日々」の元。現代で表現する場所がなくなってしまった部分を担っていた作品だと思う。哲学、宗教、電波、グロなどなど読み手への障害をふんだんに設けた作品で、予備知識や覚悟がないと、衝撃だけで終わってしまう気がする。表現や下地、伏線が秀逸すぎて、着いてくる人は少なそうだし、今後このジャンルが流行ることも多分ない。過剰特化し過ぎて独自の何かを作り出した作品の一つであるとも思う。ただ、救世主である間宮のキャラクター性はその後、多くの作品に引き継がれているかと思われる。2016/09/25
とりじまカラス
1
なんとも衝撃的な作品でした。 いじめられっ子が起こした反逆。でもそれは単なる復讐劇ではなく、哲学的な意味を持ったものでした。 読了後もさまざまな謎が頭の中に残り、なんとも不思議な気分です。 エヴァンゲリオンや大槻ケンヂの影響を感じるこの作品。難解な作品を読みたい方にオススメです。2014/10/01
独居202
0
原作では4人の視点から一つの事件を見ていく形式がとられていますが、こちらは基本的に一人の人物からの視点で構成されています。そのため電波的なアレコレや他3人の視点は端折られてしまっています。しかし、タイトだからこそ原作よりストーリー自体が分かりやすくスッと読み終える事ができます。原作プレイ済みでストーリーをおさらいしたい方にはオススメです。ちょいと誤字、脱字が多いところが気になります。2017/01/10
無明
0
終 終 ノ 空 空2015/08/14
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