出版社内容情報
《内容》 ■ 血液ガスの読み方,つまり酸塩基平衡の診断およびガス交換異常をわかりやすく解説する最新のガイドブック。酸塩基平衡とガス交換をバランスよく配置し,日常臨床に結びつけながら具体的に記述する。全体は33の章からなり,各章イラストを中心とした見開き2頁の構成でビジュアルに提示する。■ 血液ガスの読み方を短時間で理解させる本書は,内科,外科はもとより,麻酔科,小児科,産科,ICU,CCU,救命救急等の臨床家,レジデント,ナースに最適な書である。 《目次》 目次Ⅰ血液ガスの基礎知識 1血液ガスとは:血液中に気体として酸素と二酸化炭素が溶け込んでいる 2血液ガスの重要性:血液ガスは生命維持に必須である 3動脈血の取り方 4動脈血と静脈血のNa+,Cl-,K+を測定するときはHCO3-も測定しよう 5単位と基準値:pH=7.40, Po2=95,Pco2=40,HCO3-=24,Sao2>95% Ⅱ血液ガスの読み方 6血液ガスの読み方(酸塩基平衡):はじめにステップを踏んでガスのように軽やかに理解しましょう。一歩一歩が頂上への道です。 7血液ガスの読み方(1):血液が酸性かアルカリ性か考える 8血液ガスの読み方(2):一次性変化が何かを考える 9血液ガスの読み方(3):アニオンギャップ(anion gap:AG)を計算する 10血液ガスの読み方(4):代償作用の程度を判断する。呼吸性代償はすぐに起こるか,代謝性代償は2段階でゆっくりと起こる 11血液ガスの読み方(5):どういう病気で血液ガス異常を疑わなければいけないか Ⅲ酸塩基平衡の種類 12酸塩基平衡障害の分類:四つの基本型:代謝性アシドーシス,呼吸性アシドーシス,代謝性アルカローシス,呼吸性アルカローシス 13代謝性アシドーシス:CO2以外の酸性物質が産生され蓄積する状態,あるいはHCO3-が減少する状態が代謝性アシドーシスである 14呼吸性アシドーシス:肺からのCO2が排泄できない状態である。呼吸性アシドーシスに重曹投与は犯罪である 15代謝性アルカローシス:尿中クロール(Cl-)濃度で原因がわかる 16呼吸性アルカローシス:不安で起こる過換気症候群 17代償作用:代償作用は基本的酸塩基障害の一部である Ⅳ血液ガス交換の知識 18Pco2:Pco2は肺胞換気量と酸塩基平衡の指標である 19Pao2と酸素飽和度 20ヘモグロビン(hemoglobin)と酸素解離曲線:ヘモグロビンと酸素はPo2が高いと結合しやすく,Po2が低いと離れやすい Ⅴ酸塩基平衡の知識 21pH,HCO3-,H+:酸はH+を放出するものであり,塩基はH+をうけとるものである 22Base excess(BE):BEは万能ではなく,臨床ではHCO3-を中心に考える 23緩衝作用:血液pHの変化をなるべく少なくするために緩衝作用がある 24H+の負荷と排泄:揮発性酸は肺から,不揮発性酸は腎臓から排泄される 25酸塩基平衡の調節:腎臓と肺が酸塩基平衡調節器官である 26血液と尿のアニオンギャップ:薬物中毒を疑う Ⅵ各種病態での血液ガス 27腎臓と血液ガス:腎臓ではH+を排泄して,HCO3―を産生する 28肺の血液ガス:肺のなかは3LDKの広さ 29心臓と血液ガス 30内分泌代謝と血液ガス 31消化器と血液ガス:下痢をすると代謝性アシドーシス,嘔吐をすると代謝性アルカローシスになる 32手術と血液ガス 33薬物と血液ガス
内容説明
本書は、とかくわかりにくいといわれている血液ガスの読み方、つまり酸塩基平衡障害の診断と、呼吸器系疾患の診断(ガス交換異常)をわかりやすく解説したものである。血液ガスの本は、呼吸器の専門家が著すとガス交換が主となり、腎臓内科医が著すと酸塩基平衡が主となってしまう。本書はその点に気を配り、内科および外科の研修医、看護婦にも利用できるように、配慮して書いたものである。
目次
1 血液ガスの基礎
2 血液ガスの読み方
3 酸塩基平衡障害の種類
4 血液ガス交換の知識
5 酸塩基平衡の知識
6 各種病態での血液ガス