内容説明
ある村にあらわれた、なぞの穴。なんでものみこんでくれる穴のおかげで都会はきれいになっていったが…。庭のすみで見つけた鏡のなかにはなんと犬が住んでいた!五郎くんはあることを思いついて…。星新一の名作「おーいでてこーい」ともう一篇を絵本でおとどけ。
著者等紹介
星新一[ホシシンイチ]
1926年東京都生まれ。東京大学農学部卒。1957年に日本初のSF同人誌『宇宙塵』の創刊に参加。1968年『妄想銀行』で日本推理作家協会賞受賞。短編小説より短いショートショートを得意とし、生涯に1001編をこえる作品を発表。「ショートショートの神様」と呼ばれる。1997年永眠
中島梨絵[ナカジマリエ]
1981年滋賀県生まれ。京都精華大学芸術学部卒。主に書籍のカバー・装画で活躍するイラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
42
あ、読んだことがあると思って表紙を見れば、星新一の絵本。文章は原作ままのように思うが、どうだろう。「おーい でてこーい」突然できた底の見えない深い穴。だんだん、どんどん、いろいろなものを捨てていく。ある日、空を見上げれば… 小学校低学年には少し難しい。「鏡のなかの犬」わかりやすい。そして、怖い。2019/07/14
kanata
22
星新一SS絵本シリーズ。「おーいでてこーい」と「鏡のなかの犬」を収録。今回の絵はやさしく、絵本のなかでは正統派な印象。どちらも取り返しのつかない人間の愚かさを描写する。/前者は、穴を見つけたら何かを棄てたくなる人々。後先考えず、目の前にある利用できるものは利用する現代人への風刺。もし、穴の底が空に繋がっていたとしたら…。/後者は、鏡のなかに犬いて、自分が無くして困った物を見つけてくれる。他人の失せ物を横取りはできない。少年は、一時の欲望で鏡と犬を失ってしまった。子どもが読んだら怖くてびっくりしてしまう話。2018/05/27
こゆ
20
小3に読み聞かせ。星新一さんの絵本版「おーい でてこーい」「鏡の中の犬」の2本立て。これまで星新一さんをあまり読んでこなかったので、子どもと一緒に新鮮な気持ちで読めた。この2作はなかなか教訓的なお話。子どもはかわいい小動物が大好きなので、実験に使われた動物(おそらくモルモット)の死体を捨てていることに激怒。「おーい でてこーい」はゾッとする結末だが、子どもには「えっ、ここで終わり?」とあまりピンときていなかった様子なので解説。もう少し大きくなったら面白さがわかるかな。2022/10/25
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
4年生ブックトーク授業 芽ぶっくのおすすめ本 最低2冊は読む宿題をだしたので、絵本中心に選書しました。(長いおはなしはちょっと…な子が多いので)ショートショートの神さま星新一について、ショートショート(掌編小説)ってなに?についても話しました。『おーいでてこーい』はある日底の見えない穴ができ、次々と物を捨てると…、『ボッコちゃん』より。『鏡のなかの犬』は自分が失くして困ったものだけ見つける鏡の中の犬…、『きまぐれロボット』より。2019/12/11
杏子
16
絵本で星新一さんの世界を描いたシリーズ。星新一さんの本は中学生頃に夢中になって読んだものですが、こうして絵本になったものを読んだら、またよかったです。絵本だけど、文章は原文のままのようなので、高学年向けなのかな。読める子なら中学年でもいいかもだけど、怖さがわかるのは4、5年生以上かな。いい本は何年生で読んでもいいかと言えばそうでもないらしく、ふさわしい年齢で読んだ方が理解が深まるし、感動も違うと思うので。2018/08/01
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